コーセーは、DXを活用した新たなカウンセリングの手法として、オンラインカウンセリング・プラットフォーム「WEB-BC SYSTEM(ウェブ ビーシー システム)」を開発した。まずは同社のハイプレステージブランド『コスメデコルテ』でのカウンセリングサービスとして「DECORTE Personal Beauty Concierge(コスメデコルテ パーソナルビューティ コンシェルジュ)」という名称にて2021年9月16日よりサービスを稼働する。
同社では長年にわたり、美容部員(ビューティ コンサルタント:以下、BC)が、販売店の店頭にて対面で接客するカウンセリング販売を実施してきた。
昨今、生活スタイルの多様化に加えてコロナ禍も重なり、時間や場所を選ばずに、化粧品のカウンセリングや購入を行いたいというニーズは、ますます高まりをみせている。テレビ会議システムを化粧品のオンラインカウンセリングに活用しようという試みも各社が取り組んでいるが、既存の手法では画面上で化粧品特有の繊細な「色」や「質感」が伝わりにくいだけでなく、予約からカウンセリング、購入への一元化された動線が構築されていないため、従来の対面接客と比較すると顧客満足度の点で大きな課題を抱えていた。
今回、同社では、「WEB-BC SYSTEM」を開発。オンライン接客特有のさまざまな制約のなかでも、従来のオフラインカウンセリングのきめ細かさを再現しながら、オンラインならではの手軽さを両立させ、さらには、カウンセリングの予約から商品の購入までを一連の流れでスムーズに完結できるカウンセリング・プラットフォームだという。これまでの対面カウンセリングの良さを残しつつ、その考え方や手法を大きく見直すことで、新たなカウンセリング概念を確立し、消費者へ新たな価値を提供する。
消費者の都合に合わせて「ビデオカウンセリング」と「チャットカウンセリング」を用意。「ビデオカウンセリング」においては、これまでのオンラインカウンセリングで大きな課題だった、化粧品特有の繊細な「色」や「質感」の再現性を高めることで、オフラインに限りなく近いレベルの高精彩な映像を実現した。
従来のオフライン接客は派遣先の店舗に限定されるのに対し、同システムに携わるBCは、国内のサービス拠点から、全国の顧客に対して遠隔で接客をすることが可能に。将来的には、社員1人ひとりの生活スタイルや希望に合わせ、時間に制約されずフレキシブルな働き方を目指す。
また、同システムを通じて接客を行うと、カウンセリングや購入に関する履歴だけにとどまらず、担当したBC への評価まで「KOSÉ-ID」で一元化されるため、ハイパフォーマーのカウンセリングの可視化や社内共有が可能となり、BC のさらなるスキル向上を目指すことができる。
まずは、丁寧なカウンセリング販売を提供価値の中核とし、同社の最高峰ブランドとして位置付ける『コスメデコルテ』において、「DECORTÉ Personal Beauty Concierge」のサービス名称で 2021 年 9 月 16 日にローンチ。今後は他ブランドでも展開、グローバルでも拡大していく予定となっている。