コニカミノルタと丸紅ネットワークソリューションズは、スマートシティや商業施設などで来店者を分析するソリューション「人流マーケティング」で協業することを発表した。
丸紅ネットワークのAI映像監視サービス「TRASCOPE-AI(トラスコープ エーアイ)」に、コニカミノルタの画像IoTプラットフォーム「FORXAI(フォーサイ)」を利用して開発した「人流マーケティング」機能を搭載する。
現在、大型商業施設などの店頭マーケティングでは、消費者1人ひとりがどのような行動をとっているのかを分析し、店舗の配置や商品の陳列などに人の流れに合わせた戦略が導入されつつある。しかし、異なる場所に移動する人の動きを分析することは容易ではない。また、顔認識による方式では、マスク装着による識別性能の低下やプライバシーに対する懸念などの問題がある。
そこで両社は、服装や持ち物も含めた人物の全体像から同一人物であるかを判定するFORXAIの属性認識技術を使い、スマートシティや商業施設における来店者分析を可能にするソリューション「人流マーケティング」を提供。同ソリューションでは、個人を特定することなく、異なる地点のカメラに映る人物を追跡することができる。マスクや帽子で顔が隠れていても同一人物の認識と追跡が可能であり、個人特定を行わないため来店者のプライバシーにかかわる懸念を軽減することが可能。さらに、FORXAIの画像処理技術により、これまで難しかった複数のカメラ間での画像整合性の問題を解決した。また、これらのAI処理は店舗内のエッジコンピューティングで行われ、撮影映像がクラウドなどの外部に送出されることがないため、情報漏洩リスクの低減に寄与するという。
同ソリューションは、施設内店舗間の相互利用者数、来場者の時間帯別属性、来場者の動線といった来場者のマーケティングデータを、消費者のプライバシーに配慮しながら自動的に取得でき、より効率的な販売戦略の構築や課題解決を支援する。