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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

ECzineニュース

ヤフー、5,215件の広告アカウント停止 広告サービス品質向上の取り組みについて記者会見を開催

 ヤフーは、広告サービス品質向上の取り組みについての記者会見を、6月8日にオンラインにて開催した。また同時に、広告サービス品質向上のための審査実績をまとめた、2020年度の「広告サービス品質に関する透明性レポート」を公開した。

 同会見は、メディア統括本部・トラスト&セーフティ本部 本部長 一条裕仁氏より、ヤフーが行っている、広告に関する不正検知対策や、そのほかの取り組みについて、近年の実績に基づいて説明が行われた。開始にあたり一条氏は、会見とレポートの公開目的を大きくふたつ提示した。

メディア統括本部・トラスト&セーフティ本部 本部長 一条裕仁氏

①デジタル広告市場の健全性を守るために、同社がどういった取り組みを行っているのかを共有することで一般のユーザー、広告主、媒体社に安心してもらうこと

②健全性を守るためには、相応の行動を取らなければならないということを同業者に周知し、業界全体で不正を締め出すこと

 なお、同社では2019年度より同レポートを公開しており、今回は三度目の公開となる。

ヤフーの広告サービス品質向上の取り組みについて

広告内容の審査

 同社では広告を掲載するにあたり、不適切な広告の掲載を防ぐために広告掲載基準(禁止事項)を定めている。虚偽誇大広告、詐欺などの法令に違反するものはもちろん、ユーザーに不快感や不安感を与えるものも禁止している。掲載基準は、法改正や社会情勢に合わせて常に見直しを行っており、2020年度も複数回行われたとのこと。

 審査は掲載前および掲載後に、スタッフによる目視の審査と、システムによるフィルタリングで24時間365日行われている。2020年度に、実際に広告審査で非承認となった広告素材の数は約1億7,000万件で、これは2019年度と比べると約6,000万件減少している。この理由について一条氏は、「違反表現を繰り返すなど、大量の非承認広告の入稿を行う広告主の減少」と「広告主向けの掲載基準への理解促進のための啓発活動の効果」と説明する。

 2020年度に非承認となった理由として多かったのは、広告タイトルの「世界一の〇〇!」などと言った最大級表示・No.1表示が理由となった件数と、商品説明において薬用化粧品(医薬部外品)などの掲載基準に抵触した件数だ。同社では、最大級表示・No.1表示に関して、1年以内の調査データのみを掲載可能としているが、2021年に年が変わったことで、掲載データが古くなり基準を満たさない広告が増加した。また、同社は掲載基準を景品表示法や薬機法、日本化粧品工業連合会の基準に基づいて定めている。2020年度は、同連合会の「化粧品等適正広告ガイドライン」が改訂されたことにより、広告の非承認件数が増加した、とのこと。

 また、広告審査は広告単位のみではなく、アカウント自体を停止する場合もある。基準への多数の抵触や、不正行為の恐れがある場合に行われる。これは既存のアカウントだけでなく、新規アカウント開設時も行われ、過去に不正があった広告主でないかどうかを審査する。同社は、2020年度の下期にこの審査を強化し、年度累計で5,215件のアカウントを停止した。

広告掲載面の審査

 同社は、ヤフー以外のさまざまなサイトやアプリにも、広告の配信を行っており、それぞれのサイトで、広告が適切に表示されているかどうか審査を行っている。

 広告主が安心して広告を出すために必要な要素として、①適正な広告効果の可視化②ストレスのない広告体験の提供③ブランド価値とメディアの信頼性の担保(不正の排除)を挙げている。審査のポイントはその中でさらに細分化されているが、同社がとくに重視しているのは、違法サイトなどの不適切な内容の掲載面に広告が配信されることを防ぐ、ブランドセーフティの観点である。掲載前だけではなく、掲載後も継続的にパトロールを行い対応している。

 広告掲載面の事前審査における2020年下半期の結果をみると、同年上半期よりも非承認の割合が増加している。これについて同社は、審査数自体が増加したことで「個人・実態不明業者」に該当する非承認者が増えたことを主な要因としている。同社では、配信先サイトの信頼性を担保し、責任の所在を明確化するために、一定規模を超える良質なトラフィックを持つ法人サイトに限定して、広告を掲載している。

アドフラウド対策

 アドフラウドとは、ユーザーに見せかけたボットなどを使い、無効なインプレッションやクリックによって広告費を搾取しようとすることである。同社では、人に見られているトラフィックに広告が配信されているかどうか、24時間体制で監視し、アドフラウドの排除に努めている。

 2020年度下半期は、ディスプレイ広告で表示された無効クリックの割合が、上半期の14%から大幅に減少し7%となった。これは、無効クリックを顕著に発生させていた、特定のクラウドサーバーがなくなったためである、と同社では考察している。なお、同社の「無効クリック検知システム」に検知された無効なクリックは広告費の課金対象から除外される。

2020年以降の取り組み

 2020年以降の取り組みとして、一条氏は大きく4つの項目を挙げた。

広告掲載基準の周知啓発

 広告掲載基準の周知をするため、同社ではさまざまな学習コンテンツを用意している。中でも薬機法や医療法など解釈が難しいものについて、具体的な可否事例をまとめた資料集を公開している。違反判定によって、広告主が何度も広告を入稿しなくても良い環境を目指す。

JIAAインフォメーションアイコンの付与

 JIAA(日本インタラクティブ広告協会)のインフォメーションアイコンプログラムに則り、広告における情報の取り扱い、広告を停止する仕組みをユーザーに分かりやすく表示している。同社では、扱っている広告すべてにこのアイコンを自動で付与。その広告がヤフー広告であると明記するとともに、広告に関するアンケートページを設置して、同社の透明性とユーザーの利便性向上に努める。

ユーザーの意見に基づく広告の掲載停止

 2021年1月、ユーザーからのネガティブな反応が基準を超えた広告の掲載を停止する、というオペレーションの開始を周知。同社では、広告がユーザーの体験に及ぼす影響を分析しており、多くのユーザーからネガティブに捉えられる内容を制御することは、広告の品質向上やデジタル広告業界の未来にとって重要だと考えている。

「透明性や品質向上について」などの課題への取り組み

 内閣官房のデジタル市場競争本部事務局が公開している「デジタル広告市場の競争評価最終報告(案)」に記載されている各課題の取り組みについて、同社が実施している取り組みを公開しているとのこと。会見内では深く言及されなかったが、内容は下記のリンクから確認できる。

「デジタル広告市場の競争評価最終報告(案)」の課題に対するヤフーの取り組みについて

 最後に、一条氏は「このような数々の取り組みを通じて、今後も我々はヤフー広告の安心安全を守り続け、その内容を、透明性をもって届け続けることで、より皆様に安心していただける広告プラットフォームを目指していきます。」と述べ、会見を締めくくった。

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