凸版印刷は、新たに設立されたベータ・ジャパン合同会社(以下、b8ta Japan)と2020年より協業し、「b8ta Tokyo - Yurakucho」(有楽町電気ビル内1階)への出展や「サービスとしての小売り(RaaS:リテール・アズ・ア・サービス)」の日本市場拡大を推進している。
今回、「IoA仮想テレポーテーション」技術を活用して、バーチャルとリアルを融合した新しい買い物体験を提供するサービス「IoA Shopping」を凸版印刷が開発。2021年度中に提供を開始するという。
利用者は、スマートフォンからバーチャル空間上に構築した店舗にアクセスし、買い物をすることができる。また、実際の店舗に設置されたアバターロボットにボタンひとつでアクセスすることが可能。バーチャル空間とリアル空間を自由に行き来し、まるで実際に店舗へ行ったかのような買い物体験を提供する。なお、同サービスの提供開始に先立ち、バーチャル空間上に「b8ta Tokyo - Yurakucho」を構築し、「Virtual b8ta」として実証実験を開始した。
同サービスの特徴は、次のとおり。
遠隔地から「バーチャル店舗」と「リアル店舗」を行き来してショッピングすることが可能
スマートフォンから専用アプリにアクセスすることで、「バーチャル空間」と「リアル空間」を行き来して買い物することができる。バーチャル店舗ではアバターを、リアル店舗ではアバターロボットを用いることで、どちらの空間でもウィンドウショッピングのように、モノとの偶然の出会いが体験できる。
友人や家族とグループでショッピングすることが可能
バーチャル空間に複数人が同時に接続し、それぞれのアバターで空間を移動できる。空間内にいる人と音声で会話が可能で、商品が気に入った時は感情表現ができるエモート機能も実装している。
リアル店舗にいる店員とすぐに会話をすることが可能
バーチャル空間からリアル店舗にいる店員と音声ビデオ通話が可能。スマートフォンにバーチャル空間とリアル空間の2画面を表示し、リアル空間のウィンドウで店員が商品の紹介などを行い、遠隔地からでもリアルタイムに接客を受けることができる。
ARで商品の設計や使用イメージを確認
3D化された商品をさまざまな角度から確認可能。バーチャル体験を選択することで商品に合った使い方が表示され、店舗では体験できない商品でも実際に使用するイメージができる。
AIカメラでリアル店舗の人やロボットを検知してバーチャルに反映
店舗に設置しているAIカメラで人やロボットの位置を把握し、バーチャル空間上へリアルタイムに位置情報を反映。どの商品に人が集まっているかや、店員に呼びかけるリアルショッピングさながらの体験を可能にする。
「IoA Shopping」のコンセプト
Social
買い物を通じ、人と関わることで得られる価値を提供。従来のECでは体験できなかった、人とのコミュニケーションや交流が可能。
Discover
新たな商品との偶然の出会いの価値を提供。リアルのような偶然の出会いが生まれる商品閲覧体験が可能。
Beyond
時間・空間・距離などの制約を超えた空間ならではの価値を提供。さまざまな制約に捉われずいつでもどこからでもアクセスできる。
Experience
拡張された商品体験に触れられる価値。ユーザーが利用シーンをイメージしやすいバーチャル体験ができる。
実証実験「Virtual b8ta」概要
- 実験期間:2021年3月22日(月)~24日(水)
- 目的:「IoA Shopping」の遠隔ショッピングにおける有用性の検証。また、将来的な店舗接客業務の効率化/情報提供の最適化手法を検討
- 場所:バーチャル空間上に構築した「Virtual b8ta」および、「b8ta Tokyo - Yurakucho」にアバターロボットの設置
- 備考:実証期間中b8ta Tokyo - Yurakuchoでは、実際に同サービスを体験することが可能。なお、Virtual b8taはTakramとの共同で開発された。
「バーチャルb8ta」内で体験可能な企業名・商品名
今後は、決済方法を拡張させるなど、リアルとバーチャルを融合する利便性の高い買い物体験の実現に向けて「IoA Shopping」のブラッシュアップを推進していく。