凸版印刷と、同社グループ会社であるONE COMPATH(ワン・コンパス)は、ONE COMPATHが運営する電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」利用者を対象に、買い物に関する意識調査を行った。なお、同調査は、1回目の緊急事態宣言の解除後である2020年6月に初回調査を実施し、これまでに計7回実施。今回は、全7回の調査結果とともにコロナ禍における買い物意識の動向について分析結果を発表した。
コロナ拡大後、買い物頻度や店舗滞在時間が減少 最新調査でも傾向変わらず
スーパーを訪れる頻度について、コロナ前に「ほぼ毎日」買い物に行っていた割合は21.0%であったのに対し、6月調査(初回調査)では11.8%と大幅に減少。最新の2月調査でも12.1%と状況は大きく変わらず、コロナ前と比べると43%の減少率となった。一方「週に1回以下」では、コロナ前の28.8%から6月調査では39.6%(10.8pt増)と大きく増加したあと、2月調査でも39.8%となった。買い物頻度は、減少したまま変わっていなかった。
スーパーでの滞在時間について、短時間である「20分未満」がコロナ前は33.7%だったのに対し、6月調査では47.4%(13.7pt増)に増加。2月調査でも依然として41.7%だった。一方、比較的長時間にあたる「30分以上」では、コロナ前の29.1%から6月調査で18.3%(10.8pt減)と減少した。そののち、1月上旬調査まで少しずつ増えていたが、1月下旬調査では再び減少に転じ、最新の2月調査では22.2%と上昇(コロナ前と比較して24%の減少率)。やはり店舗の滞在時間についても、減少したまま同じ傾向が続いているといえる。
コロナ禍の買い物は計画性もアップ “テキパキ買い”が定着
スーパーでの買い物方法について「予定していたものだけを購入」「予定していたものと、店頭で見たもの半々ぐらいを購入」「予定してないものを購入」のうち、当てはまるものを選択してもらった。
「予定していたものだけを購入」について、コロナ前が17.8%だったのに対し、6月調査では31.1%に上昇。そののち、一時30%を下回ったものの、最新の2月調査では30.2%となりコロナ前と比較して69%の増加率になった。やはり傾向は大きく変わっていないことがわかる。一方で変化が見えたのは「予定していたものと、店頭で見たもの半々ぐらいを購入」。6月調査では51.6%だったが、そののち増加し、最新の2月調査では59.5%と調査開始後最高値となった。これにあわせて「予定してないものを購入」は6月調査の15.9%から徐々に減少し、2月調査では9.1%ともっとも低い数値となった。
買い物頻度と店舗滞在時間の減少、計画購買の増加の傾向から、テキパキと買い物をするスタイルが定着していると考えられる。
6割以上が今の買い物スタイルを「今後も継続」
現在の買い物スタイル(頻度や店舗での買い物時間)について、「今後も継続する」が65.8%となり、テキパキ買いスタイルの傾向は今後もしばらく続くと推察される。一方で33.1%が「世の中の状況次第」と回答した。
1割はコロナ禍で「行くお店(スーパー)を変えた」
コロナ禍に入って行くお店(スーパー)を変えた人は、最新の2月調査で9.2%。6月調査の9.7%から変わらず、1割弱の人がスーパーを変えたことがわかる。
店選びの理由、「安い」「近い」「質が良い」が上昇傾向
コロナ拡大後、行くお店(スーパー)を変えた人に、その理由をたずねた。最新の2月調査では、「今までのお店より安いから」38.9%(6月調査比7.9pt増)、「今までのお店より近いから」37.1%(6月調査比6.5pt増)、「今までのお店より質が良いから」19.0%(6月調査比5.6pt増)が上位3項目となり、また6月調査よりも増加していることがわかる。外出時間の短縮や経済への不安から来る節約志向上昇、外出自粛の長期化にともなう健康意識の高まりなど要因はさまざま考えられるが、いずれも店選びの大事な要素といえる。感染対策だけではなく、「訪れる価値」全体を見定める傾向が強まっている。
調査概要
- 調査エリア:全国
- 調査期間:2021年2月13日~2月16日
- 調査対象者:「シュフーポイント」会員(全年齢の男女)32,284名
- 調査方法:インターネットリサーチ
- サンプル対象:直近3ヵ月で実際にスーパーに訪れたと回答した人