アイスタイルは連結子会社であるアイスタイルトレーディングを通じて、中国ネット通販を展開するアリババ・グループとともに、日本のコスメブランドの中国市場進出におけるテストマーケティングを可能にする「Tmall Global×@cosme 中国直輸出プロジェクト」を開始。Tmall Global内の海外直送店舗に@cosme専用ページを開設することを発表した。
中国の化粧品市場は年々拡大を続けており、事業者間の競争は激化。特に新たに市場参入してプレゼンスを得るには、プロモーションなど莫大な投資が必要であることが、多くのブランドにとって参入障壁となっているという。
一方で日本国内市場も、EC事業者やECモール運営者を対象に営業許可の取得を義務付けた「中国電子商取引法(中国EC法)」の施行によるソーシャルバイヤーの減少や新型コロナウィルスの感染拡大による観光客の渡航制限によるインバウンド需要の激減など、課題を抱えている。
これらの課題を解決し、化粧品ブランドが新たな市場を開拓する手段として、同プロジェクトを開始することとなった。
同プロジェクトは、従来中国EC市場で主流となっている越境ECと異なり、日本国内の倉庫から直接中国の生活者に商品を届ける仕組み。商品販売の場としてはTmall Global内の海外直送店舗に@cosme専用ページ「Tmall Global(天猫国際)日本直送@cosmeモール」を開設。同時に、アリババグループの越境ECであるKAOLAにも@cosmeの直送店舗が出店する。
越境ECの仕組みを利用する場合、保税区の倉庫は在庫を自由に入出庫できないことから、ブランド側が大きな在庫リスクを抱える必要があることに加え、そもそも中国ですでに認知度のある商品しか納入が許可されづらい傾向があるという。
一方、直輸出モデルでは、委託販売の形式で日本国内のアリババの倉庫で在庫管理するため、在庫の調整が容易にでき、中国での認知度が低いブランドでも、テストマーケティングとして少量の在庫で柔軟に中国市場への進出が可能となる。
また、倉庫利用料の90日間無料や輸出作業の代行、販促施策としての継続的なライブコマースの実施など、市場参入を包括的にサポートする。