一般社団法人全国道の駅連絡会の石井裕会長と有識者委員会である全国道の駅プロジェクト推進委員会の石田東生委員長は5月22日、今後の道の駅の「ニューノーマル」を見据えた進化について、赤羽一嘉国土交通大臣に対して、提言を行ったと発表。
提言のふたつめに、『新しい生活様式に適合するための、「キャッシュレス決済」「通販・EC化」の早期実現と、それを柱とした経営改革(刷新)支援』が含まれ、それを受けた赤羽大臣の発言をから、公式通販サイトを6月にも前倒して開設、すでに推進中のキャッシュレス決済環境の整備を加速させることとなった。
提言の詳細は、次のとおり。
緊急的な対応
①道の駅の継続的な営業のための緊急支援
「レジ・カウンター周りの感染シールド対応」、これからの「トイレ・手洗所のあり方(様式)」等を見据えたうえでの設備対応等、お客様、職員双方が安心して利用できる環境の再整備や「顧客動線」の見直し(一方通行化等)を行う必要がある。
新たな生活様式、ニューノーマルに対応した対応
②新たな生活様式に対応した「インフラの強化」
「ニューノーマル」への対応として欠かせない「キャッシュレス化」の徹底と「通販・EC化」の早期実現、物流事業者との連携強化、また、それに合わせた道の駅の経営改革(刷新)を加速させる必要がある。
キャッシュレス化においては、端末の導入や手数料支援に加え、申請手続きの事務支援や利用ポイント付与等の導入インセンティブも有効である。また、通販・EC化においては、送料の一部負担(公費)やCRM(顧客管理データ)の早期整備と活用等が求められる。
他方、「道の駅」を対象とした高速道路からの一時退出利用など「ETC2.0」と連動した施策の強化やドライブスルー、ドライブインシアターといった、新しい生活様式に対応し得る施策も必要かつ有効と考える。
持続的活性化への対応
③感染症対策にも対応するサステナブルな「防災道の駅」の整備
自然災害対策に加え、自動ドアへの改修・導入の敷設や入口でのサーモグラフィーの設置などを段階的に進めていくと同時に、感染症の予防や拡大防止対策として、BCPの策定、「マスク」や「消毒液」等の常備、備蓄および一部販売も検討すべきである。
④オンライン(5G)等を活用した活性化
防災道の駅でも必要かつ重要なインフラとなる「5G」を道路管理者が整備し、平時においては「遠隔医療相談」や「高齢者みまもり」等、地域住民の生活コミュニケーション拠点として活用すべきであると考える。
⑤推進体制の確立
重点道の駅を中心に、意欲・体力ある道の駅がビジョンと情報を共有しつつ、「ニューノーマル」に対応した進化を先導的に遂げられる体制(「第3ステージ先導チーム(仮称)」)作りが必要である。また、官民学の連携にあたっては、公的支援(予算、ブランドの使用等)、民間支援(協賛、ノウハウの提供等)を、この分野に集中して一気に進め、成功事例を惜しみなく横展開することで「第3ステージ」を迅速に進めることができると確信する。
赤羽大臣からは、「道の駅は地方創生の切り札」であり、ニューノーマルへの対応として、「地方では導入しにくいキャッシュレスやETC2.0、デジタルトランスフォーメーションをどこよりも早く道の駅で始めることには意義がある」、また、通販について、「需要は大変増えており、外に出にくい状況の中で、道の駅のオンラインショップを使うことによって、地域の名産を手にすることができるので是非応援したい」などの発言があったとのこと。
これを受け、同会では、道の駅「第3ステージ」で計画していた全国道の駅の公式通販サイトを本年6月にも前倒して開設するとともに、すでに推進中のキャッシュレス決済環境の整備を加速させることになった。