ヤフーは、2019年9月12日開催の取締役会において、株式会社ZOZOの普通株式による公開買付けにより取得すること、およびZOZOとの間で資本業務提携契約を締結することを決議したと発表。
ヤフーは、eコマース事業のさらなる拡大を目指す中で、2018年の日本国内のBtoC-EC市場において物販系分野では「衣類・服装雑貨等」カテゴリーの市場規模は1兆7,728億円と同分野でもっとも大きい市場規模であることから、ファッションECを強化することが必要と認識。
ヤフーとZOZOは、eコマースにおけるサービス向上の可能性について断続的に意見交換を行ってきたが、2019年の秋から始まるPayPayモール事業における業務提携の可能性についての議論を行うなかで、業務提携案や資本提携の可能性についても検討。
協議の結果、協業はヤフーとZOZO双方がメリットを享受することが可能であり、事業上のシナジーを最大化するためには同一グループとなり、安定的な資本関係を構築する必要があるとの判断に至り、ヤフーがZOZOを連結子会社化することとなった。
2019年秋に開設予定のオンラインショッピングモール「PayPay モール」において、ZOZOはファッションカテゴリーに出店、スマートフォン決済サービス「PayPay」も導入する。
ZOZOの連結子会社化により、以下3つのシナジーを想定しているとのこと。
1.集客におけるシナジー
全年代のユーザーを有し、とりわけ中高年齢者層において高いシェアを有するヤフーと、若年層のユーザーを多く有するZOZOが提携し、お互いのECサイトが連携することにより、双方のサービスに誘導し合うことが可能となり、より多くのユーザーへファッションeコマースサービスを提供でき、それぞれのサービスへの集客効果を期待。
2.商品提供におけるシナジー
Yahoo!ショッピングまたはPayPay モールの、ファッションジャンル以外の出店者によるZOZOTOWNへの出店も促進されること が見込まれ、ZOZOTOWNにおける取扱商品数の増加が期待。
またZOZOTOWNがPayPay モールに出店することにより、PayPay モールのファッションカテゴリーにおいて、PayPay モール出店者がZOZOのサービスを活用しつつ、PayPay モールへ商品を出品できることを期待。また、これまでZOZOTOWNに出店していた顧客も、PayPay モールへ同時に出店できるようになる。
3.ユーザー利便性向上におけるシナジー
ZOZOTOWNにおけるPayPayの導入や、ヤフーのさまざまな資産の活用を通じ、ユーザー利便性の向上を期待。
なおZOZOは、本日2019年9月12日付けで、代表取締役社長 前澤友作氏が代表取締役ならびに取締役を退任したと発表。新たな代表取締役社長兼CEOには、取締役の澤田宏太郎氏が就任。退任は、前澤氏の意向であるとのこと。