パフォーマンスマーケティングのテクノロジー企業であるCriteo S.A.(以下、クリテオ)は、2017年度トラベルレポートを発表した。
本レポートは、近年明らかになりつつある旅行者の行動傾向について、季節要因が旅行者の予約行動パターンに及ぼす影響や、旅行予約シーンでのモバイル浸透率とクロスデバイス浸透率など、旅行業界におけるマーケティング戦略に活用できうる知見を提供するというもの。
旅行者の予約パターントレンド
本調査により、訪問者と予約件数が1年でもっとも多いのは7月であるということがわかった。旅行のピークシーズンであるゴールデンウィークや年末を見据えて早い段階から集客を行うことで、旅行検討者に的確にコミュニケーションを行うことが可能となる。
また、年末やゴールデンウィークなど大型連休の際は、約1ヵ月以上も前から検討を開始する早期予約者が約5割を占め、通常時期よりも早期予約者が増えることが見て取れる。2017年で備えるべき大型連休は、ゴールデンウィーク、夏休み、シルバーウィーク、年末年始の4つの時期で、これらのハイシーズンの約1ヶ月前から旅行検討者が検討を開始できる環境を整備しておくことがポイントとなる。
旅行業界におけるモバイル・クロスデバイスの浸透率
2016年のデータを見ると、デスクトップ経由で旅行予約するユーザーが減少傾向にあるのに対し、モバイル経由で旅行予約するユーザーは、年初の35%から年末には44%に増えている。
また、クリテオが実施したオンライン調査の結果によると、コンバージョンに至るユーザーのうち、旅行サイトを週3回以上訪問するユーザーは全体の約50%。毎日のようにサイトを訪れるユーザーだけを見ても全体の32%にも上ることがわかった。
さらに、1つの旅行サイトしか閲覧していないユーザーのコンバージョン率を1とすると、6つ以上の旅行サイトを比較検討しているユーザーのコンバージョン率は4.7倍と、迷っているユーザーほど予約(コンバージョン)に至る可能性が高いということが見て取れる結果となった。
あるホテルの予約サイトのデータによると、約60%のユーザーがクロスデバイスで閲覧した後に予約に至っており、1台のデスクトップパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなど、複数のデバイスを組み合わせた「クロスデバイス」の活用が旅行業界においても進んでいる。
本調査を踏まえ、クリテオは「旅行者は1ヶ月前から旅行を計画します。そのため、CPCを早めに上げて、需要を取り込めるようにするべき」「サイトやアプリをあらゆるデバイスに最適化し、旅行予約数を最大化できるようにすべき」「ユーザーのクロスデバイスのタッチポイントを追跡し、管理するためのスマートなソリューションを提供すべき」とコメントしている。