LINEは、15~49歳の男女1,229名を対象に、スマートフォン時代におけるマンガコンテンツの利用動向について調査を実施し、その結果を発表した。
出版業界の調査機関である出版科学研究所が「出版月報」2017年2月号にて発表した「2016年 電子出版市場調査」によると、現在、紙のマンガ市場は約1,940億円(前年比8%減)と縮小している一方で、紙と電子を合わせたマンガ市場規模は、2014年3,138億円、2015年3,251億円、2016年約3,400億円と拡大している。その背景には、スマートフォンのマンガアプリや読み放題サービスなどの登場により、マンガの楽しみ方が多様化したことが推察されている。LINEではこうした状況を踏まえ、マンガコンテンツの利用動向にどのような実態があるのか、調査を行った。
マンガコンテンツ閲覧時に利用する媒体/デバイス
マンガコンテンツ閲覧時に利用する媒体/デバイスを聞いたところ、「紙」(45%)「スマホ」(27%)「その他(タブレット等)」(10%)の順となっており、依然として「紙」での利用が多数を占めていた。一方で、LINEが2年前に実施した同調査と比較すると、「紙」の利用は横ばい(2015年:47%、2017年:45%)であったのに対し、「スマホ」での閲覧は51%増加(2015年:18%、 2017年:27%)しており、急速にスマートフォンでの利用が拡大している。
さらに、スマートフォンでマンガを閲覧している利用者を年代別に比較すると、30-40代の利用が68%増加(2015年:25%、2017年:42%)と伸びが顕著であり、かつて紙のマンガ雑誌・単行本に慣れ親しんだユーザーがスマートフォンの普及拡大を機にマンガ市場に回帰し始めていることが見て取れる。
スマートフォンのマンガサービスを利用する理由
スマートフォンのマンガサービスを利用する理由は「無料で読めるから」(57%)「いつでも読めるから」(40%)に続き、「知らなかった作品に出会えるから」(25%)、5位には「紙のマンガだと管理が大変だから」(19%)と、時間や場所を選ばず利用できるスマートフォンの特性が魅力となっていることがわかった。
現在利用しているマンガサービス
現在利用しているマンガサービス(マンガアプリ・サイトを含む)を聞いたところ、「LINEマンガ」(26%)と「comico」(25%)が肩を並べ、次いで「少年ジャンプ+」(20%)「めちゃコミック」(17%)「マンガワン」(17%)が続いた。「LINEマンガ」「comico」共に毎日豊富なラインナップで“無料連載“が楽しめることが人気の要因と考えられる。
さらに、メインで使用しているスマートフォンのマンガサービスを年代別(10~40代)に聞いたところ、全年代で「LINEマンガ」の主利用が多い一方、20代では「comico」、40代では「Amazon/Kindle」が並んでおり、年代ごとに傾向が異なることが明らかとなった。
無料のマンガ作品を閲覧した後のアクション
スマートフォンのマンガサービスで無料のマンガ作品を閲覧した後のアクションを聞いたところ、「次の無料更新を待つ」(55%)に次いで、「その作品の電子または紙(新品)の本を購入する」(32%)と、3割以上のユーザーが書籍購入に至っていることがわかった。このことから、スマートフォンのマンガサービスは無料でマンガを楽しめるだけではなく、マンガコンテンツ購入の新たなタッチポイントとなりつつあることが読み取れる結果となった。
本調査により、LINEは「スマホマンガサービスで、無料のマンガ作品を閲覧した後、3割以上のユーザーが有料でその作品の電子または紙(新品)の本を購入する経験を持つことから、マンガコンテンツ購入の新たなタッチポイントとなりつつある」と考察している。
■調査概要
調査方法:インターネットリサーチ/実施機関:マクロミル
調査対象:全国15~59歳男女(スマートフォンユーザー)
事前調査 10,000サンプル・本調査 1,229サンプル
調査期間:2017年2月14日~2月20日