Googleは、ニューラルネットに基づく機械翻訳(Neural Machine Translation)の導入で、Google翻訳がさらに進化したことを発表した。日本語のほか、8言語でより自然な翻訳が可能になった。
Google翻訳は、ニューラルネット(脳神経をモデルにした、学習能力を持つ情報処理システム)を活用した新システムを導入。対象言語は、日本語のほか英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、中国語、韓国語、トルコ後の計8言語。ニューラルネットを活用した機械翻訳は、今年9月にGoogleの研究者がこの手法を発表していた。
今回採用した新しいシステムでは、文章をパーツごとに翻訳するのではなく、ひとつの文として扱う。文のコンテキストを把握することで、より正確な訳語の候補を見つけることができるようになる。その後、言葉の順番を変え調整することで、文法により正しく、人の言葉に近い翻訳が可能となる。ニューラルネットに基づく機械翻訳は、システム上にエンドツーエンドで学習し続けるシステムを構築している。そのため、ユーザーが使えば使うほど、より自然な翻訳ができるようになる。
また、Googleのパブリッククラウドサービスである Google Cloud Platform では、誰でも簡単に機械学習技術を使用できるようにする、機械学習 APIを提供している。このAPIの中で、すべての企業や開発者がニューラルネットに基づく機械翻訳システムを利用できるようになった。
Googleは、今回のアップデートは過去10年の歴史を上回る飛躍的なものだと発表。その一方で、機械翻訳のさらなる向上に取り組むとした。