国内EC市場は引き続き拡大傾向に
経済産業省は、「平成27年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」を実施し、日本の電子商取引市場の実態、日米中3か国間の越境電子商取引の市場動向についての調査結果を発表した。
本調査では、狭義電子商取引(狭義EC)を、インターネット技術を用いたコンピューターネットワークシステムを介して、商取引(受発注)が行われ、かつ、その成約金額が捕捉されるもの、広義電子商取引(広義EC)をコンピューターネットワークシステムを介して、商取引(受発注)が行われ、かつ、その成約金額が捕捉されるものと定義している。
平成27年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、13.8兆円(前年比7.6%増)まで拡大。BtoB-EC(企業間電子W商取引)市場規模は、狭義BtoB-ECは203兆円(前年比3.5%増)に、広義BtoB-ECは288兆円(前年比3.0%増)に拡大している。
EC化率(※)は、BtoC-ECで4.75%(前年比0.38ポイント増)、狭義BtoB-ECで19.2%(前年比0.7ポイント増)、広義BtoB-ECで27.3%(前年比0.8ポイント増)と増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展している。
※ EC化率:全ての商取引金額(商取引市場規模)に対する、電子商取引市場規模の合を指す。EC化率の算出対象は、BtoC-ECにおいては物販系分野とし、BtoB-ECにおいては業種分類上「その他」以外とされた業種としている。
日・米・中の越境EC市場規模
平成27年、日本の消費者による米国および中国事業者からの越境EC(越境電子商取引)による購入額は2.2千億円(前年比6.9%増)、米国の消費者による日本および中国事業者からの越境ECによる購入額は9千億円(前年比11.1%増)、中国の消費者による日本および米国事業者からの越境ECによる購入額は1.6兆円(前年比32.7%増)となった。
また、平成31年までの日米中3か国相互間の越境EC規模を試算したところ、消費国としての推計市場規模は、平成27年から平成31年までの間に日本は約1.5倍、米国は約1.6倍、中国は約2.9倍の規模となり、日米中3か国間における越境ECによる購入総額合計は、平成31年までに約6.6兆円にまで拡大する可能性があることがわかった。