ヤフーは高級ホテル・旅館のオンライン予約サービス「一休.com」などを運営する株式会社一休の普通株式、新株予約権の全部を取得し、完全子会社とするため公開買付けを行う。
ヤフーはeコマース事業を収益の柱として成長させるため、「eコマース革命」「予約革命」と銘打ち、新たなビジネスモデルへの取り組みを続けてきた。インターネット旅行予約サービス「Yahoo! トラベル」では、2015年2月に宿泊施設と直接契約を行い、独自の宿泊予約プランを掲載する新商品を展開。「Yahoo!予約 飲食店」では、2013年にインターネットでリアルタイムに予約ができるサービスを開始し、1万7000店を超える店舗と契約を結んでいる。
一方、株式会社一休は、2000年に主要サービスである「一休.com」を開設し、高級ホテル・旅館のオンライン予約サービスをスタート。その後、「一休.com ビジネス」「一休.com レストラン」「一休.com 海外」「一休.com スパ」を開設し、現在の会員数は413万人を超えている。
株式会社一休の筆頭株主は41.33%を保有する森正文氏。一休は今年8月、森氏から所有する株式すべてを売却する意向を打診された。森氏は売却後も継続的に一休の成長をサポートできるパートナーに株式を譲渡したいとの意向であったため、一休はシナジーを見い出せる戦略的パートナーとの資本業務提携を模索。打診を受けたヤフーは、eコマース事業の成長を実現するため、資本業務提携ではなく、普通株式および新株予約権の全部を取得する意向を表明し、協議の結果、今回の公開買い付けについての合意にいたった。
公開買い付けは2015年12月16日から2016年2月3日まで。買い付け予定数は2923万8300株。買い付け代金は1001億9761万8300円。