コマースメディアを展開するCriteoは、Coresight Researchと共同で制作した最新レポート「リテールメディアを形成する10のトレンド」を発表した。詳細は次のとおり。
2025年リテールメディアにおける10のトレンド
AI の役割の拡大
広告の自動化とパーソナライゼーションをサポートするAIの高度化により、AIを活用したデータ分析や顧客セグメンテーションを実施する小売企業の能力が向上。広告効率の大幅な改善も実現できると見られている。
プログラマティック広告の購入が増加
オフサイトリテールメディアの拡大や様々な広告フォーマットの台頭により、リテールメディアネットワークの運用効率を向上させるプログラマティック広告購入の重要性が高まると予想。
広告フォーマットの多様化
消費者行動の変化に対応するため、小売企業はスポンサード広告やオンサイトディスプレイに加え、新たな広告フォーマットを導入。これにより、ブランドと消費者が新たにつながる機会の創出が見込まれる。
戦略的パートナーシップとオフサイトを含む広告エコシステムの拡大
ファーストパーティデータを活用して大手メディア企業と連携するなど、小売企業は広告ユニットの拡大と新たな消費者セグメントへのリーチを進めている。これにより、オンサイト・オフサイト問わず、より広範な広告エコシステムの構築が実現できると考えられている。
「テスト・学習」段階にあるインストアリテールメディア
インストアマーケティングとリテールメディアの明確な区別や、パフォーマンスを測定する上で必要な指標の不足など、いまだリテールメディアには課題が残っているのも実情だが、今後は小売企業によるインストアリテールメディア戦略の再評価と改善、継続的なテストおよび学習が求められると予測。
フルファネル広告ツールとしてのリテールメディアの役割を強化
フルファネルマーケティングのブランド目標を達成するために必要な要素として、同調査ではオフサイト広告の拡大が挙げられている。リテールメディアは、複数のチャネルとプラットフォームにわたる顧客獲得、維持および売上増加のための重要なツールになると予測されている。
ファーストパーティデータの強化
顧客データプラットフォーム(CDP)やデータレイクなどといったAI駆動型プラットフォームを通じ、ファーストパーティデータの強化を進める小売企業は、こうしたデータソースを生かし、より洗練されたターゲティングやパーソナライズされた広告キャンペーンの実施が可能となる。これにより、広告パフォーマンスの最大化が見込まれる。
信頼と透明性の確保
広告主と小売企業の信頼関係構築やリテールメディアの成功を実現するには、信頼と透明性が不可欠となっている。これに貢献するため、明確かつわかりやすく提供される広告パフォーマンスの指標が求められている。
パフォーマンス測定の標準化
リテールメディアに関わるあらゆる関係者が広告キャンペーンの効果を明確に理解できる環境を作るため、共通の指標と基準の確立が求められると予測。
新たなリテールメディアエコシステムの出現
既に技術提携に基づく新たなリテールメディアネットワークによる市場革新が進んでいるが、これらが広告エコシステムにおけるトレンドをリードし、既存市場の競争環境を再形成する可能性があると予測されている。
調査概要
- 調査期間: 2023年8月16日~29日
- 調査対象:米国拠点の消費財メーカー(CPG/FMCG)100社
※レポート記載のデータは、2024年12月5日時点のもの。