経済産業省は、「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」を実施し、日本の電子商取引市場の実態等について取りまとめた旨を発表した。
令和5年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は24.8兆円となり、前年比9.23%増の規模に拡大した。また、令和5年の日本国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は465.2兆円となり、こちらは前年比10.7%増となっている。EC化率は、BtoC-ECで前年比0.25ポイント増の9.38%、BtoB-ECは前年比2.5ポイント増の40.0%となり、いずれも増加傾向に。商取引の電子化は、引き続き進展していることが明らかとなった。
分野別BtoC-EC市場規模
物販系分野
物販系分野のBtoC-EC市場規模の内訳によると、「食品、飲料、酒類」(2兆9,299億円)、「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」(2兆6,838億円)、「衣類・服装雑貨等」(2兆6,712億円)、「生活雑貨、家具、インテリア」(2兆4,721億円)の割合が大きく、これら上位4カテゴリーで2兆円超、物販系分野の73%を占めている。
EC化率は、「書籍、映像・音楽ソフト」で53.45%、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」で42.88%、「生活雑貨、家具、インテリア」で31.54%と高い数値を記録している。
サービス系分野
サービス系分野のBtoC-EC市場規模は、「旅行サービス」(3兆1,953億円)が大きな割合を占めている。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により近年大幅に落ち込んでいた旅行サービス、飲食サービス、チケット販売が昨年の発表に引き続き大きく増加している。
デジタル系分野
デジタル系分野のBtoC-EC市場規模は、「オンラインゲーム」(1兆2,626億円)が大きな割合を占めているが、市場規模は前年比マイナス3.6%と減少している。
なお、令和5年のCtoC-EC市場規模推計は2兆4817億円(前年比5.0%増)を記録。日本・米国・中国の3ヵ国間における越境電子商取引の市場規模は、いずれの国の間でも増加し、中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は2兆4,301億円(前年比7.7%増)、米国事業者からの越境EC購入額は2兆9,610億円(前年比7.7%増)となっている。