大創産業は、2023年3月から2024年2月までの売上高が6,249億円となり、前期比106.0%で過去最高を記録した旨を発表した。
同社は、核となるDAISO、2021年に開始した新ブランドStandard Products、2022年にリブランドしたTHREEPPYの3つのブランド展開に注力し、多様化なニーズに応えてきた。3ブランドの同一テナントへの同時出店、既存のDAISO店舗の改装によるStandard ProductsやTHREEPPYの出店強化など積極的な戦略を進め、様々な顧客を取り込んでいる。
同社は、売上高増加の要因を次のように分析した。
ブランド戦略
DAISO商品拡充
DAISOの商品開発においては、低価格の生活必需品に加え、環境に優しい素材の取り入れや趣味趣向品を強化し、幅広い年齢層からのリピート来店を促進。
Standard Productsの拡大
2021年3月に東京渋谷へ初出店し、現在は全国100店舗に展開。良質で心地よい商品やサステナビリティと環境問題を意識した商品コンセプトで展開し、特に社会課題を意識した製品作りが消費者の共感を得ているという。
国内出店戦略
2024年2月末時点でDAISO、Standard Products、THREEPPYの国内店舗数は4,341店で、前々期から105.1%に拡大。銀座へのグローバル旗艦店出店や既存店の改装により、複数ブランドの同時出店を推進している。
また、ホームセンターやスーパーマーケットへの出店も進め、地域特性や規模に合わせた多様なスタイルで店舗数を増やしているとのこと。
デジタル戦略
2020年に企業向けのECサイトを開設し、2021年5月には一般消費者向けにまとめ買いが可能な「オンラインショップ」、1個から購入できる「ダイソー・ネットストア」を開設。
また、2024年2月末時点でDAISO公式Instagramのフォロワー数は187万人を超え、商品アピールとECサイトや店頭への誘導に成功。また、消費者に対し店頭での商品撮影を容認しており、ユーザーがお気に入りのアイテムや、工夫した使い方を各種SNSに投稿、共有することで情報拡散や共感の獲得に成功しているという。
また、2023年12月にはファンサイト「DAISOの輪」を開始している。
物流戦略
2023年7月に神奈川県平塚市に大型物流センターを開設し、出荷キャパシティを拡大。さらに、2024年7月にマレーシアに大型自動倉庫の建設を開始し、2027年春の稼働を予定している。