三井不動産は、統合コマースプラットフォーム「ecforce」を提供するSUPER STUDIOとともに、ECブランドの成長を“商業”と“物流”の両面から支援するプラットフォームを提供開始した。
三井不動産は「SUPER STUDIO」とともに、2022年6月より、顧客にオンラインとオフラインの垣根を意識させず、モノやサービスの購入・体験を提供するマーケティング施策「OMOソリューション」の提供を開始。2023年7月には、ECブランドが週単位で出店する次世代型ショップ「THE [ ] STORE」として、三井不動産が運営する商業施設「RAYARD MIYASHITA PARK」にて、「SUPER STUDIO」の統合コマースプラットフォーム「ecforce」を活用し、EC同様の顧客データ取得と継続的なマーケティングを実現するリアル店舗を初出店している。
また、EC・リテール領域のさらなる事業推進のため、2024年4月に新設されたイノベーション推進本部ベンチャー共創事業部が手掛ける31VENUTRESでは、2023年10月にポップアップストアの出店支援プラットフォームを提供するカウンターワークスへ出資。2024年2月には、提携した倉庫会社に対して、独自開発した倉庫管理システムや標準化されたオペレーションを提供することで、全国の倉庫をネットワーク化した物流プラットフォームを構築し、従量課金で利用可能なフルフィルメントサービスを展開しているオープンロジへの出資を実行した。
ロジスティクス本部では、2012年4月に物流施設開発の取り組みを開始し、現在では「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)」を旗艦ブランドとして、「MFLP船橋Ⅲ」や「MFLP座間」など、国内外に開発・運営施設66物件を展開。特にMFLP船橋Ⅲにおいては、2階にエクシーク、4階にはロジスティードが入居しており、EC事業者向けに物流ワンストップサービスを提供し、三井不動産としてECブランドの物流を支援していく場を整えている。
ECブランドの成長を“商業”と“物流”から支援するプラットフォーム
今回、31VENUTRESの出資先であるSUPER STUDIO、カウンターワークス、オープンロジ、共創パートナーであるエクシーク、ロジスティードのサービスに、三井不動産のリアルアセットの強みを組み合わせることで、ECブランドの成長を商業と物流の両面から支援するプラットフォームを提供する。
具体的には、次のような取り組みを新たに実施するという。
商業:OMOソリューションを活用したポップアップ出店支援
今回、ポップアップストアの出店プラットフォーム「SHOPCOUNTER(ショップカウンター)」を運営するカウンターワークスとの連携により、「三井ショッピングパーク ららぽーと」をはじめとする大規模商業施設のポップアップ店舗で、新たにOMOソリューションの提供を開始した。
今後は「THE [ ] STORE」と「SHOPCOUNTER」の両ソリューションを活用し、ECブランドの成長支援をより一層強化するとのこと。
物流:物流サプライチェーンの支援
三井不動産ロジスティクス本部イノベーション推進室では、今回新たに「&LOGI Sharing」として、EC事業者の物流をリアル・デジタルの両面でワンストップで支援するサービスを提供開始する。
同サービスは、「オープンロジ」を使用することで、提携先倉庫約70社に対して物流業務のアウトソーシングが可能となっている。SUPER STUDIOが提供する「ecforce」と「オープンロジ」は、2024年2月にAPI連携が完了しているため、「ecforce」を利用するEC事業者は、ECサイトの受注情報の取り込みや倉庫への出庫依頼の自動化といった拠点の分散・拡張が容易な物流ワンストップサービスを利用できるようになる。
今後は「オープンロジ」の提携倉庫としてMFLP船橋Ⅲの2階・4階の連携を検討しており、三井不動産はこれにより、リアルとデジタルを融合してECサイトから物流までEC事業者を一貫して支援する仕組みを構築。さらに将来的には、ECに限らず、リテール業界全体のOMO実現に貢献するプラットフォームへの進化を目指すとしている。