オムニチャネルで顧客が喜ぶオファーを実現「ハイブリス」
「ハイブリス」は、カスタマー・エンゲージメント&コマースサービス。インフラとコマースなどフロント部分のハブとなり、商品、顧客、注文といったマスターデータを管理して、そのシーンに最適で文脈のある、パーソナライズされた情報を発信する。
導入事例に、住設メーカーの「リクシル」がある。リクシルでは、ビジネスの構造上、これまで接触が持ちにくかった、エンドユーザーである施主にも直接情報発信できる、BtoBtoC向けWebサイトを構築した。
ユーザーが商品にアクセスすると、工務店に誘導。工務店を選ぶと、5分ほどで見積もりをとることができる。このWebサイト構築前には、同じ見積もりをとるのに2週間ほどの時間を要していたうえ、2,000人ほどのスタッフが見積もりをとるためだけにバックオフィスに常駐していたという。
また、家を建てる際には見積もりを何度も見直し、一部分だけ変更するなどが行われるが、それにもデジタルコンテンツは有効だ。さらにARが活用されており、タブレット等で自分の部屋の写真を撮り、バーチャルで部材を当てはめて試したりもできるようになっている
このように、BtoC、BtoB、BtoBtoCなどコマースでの活用が多いのはもちろんだが、業態、企業規模問わずにハイブリスは導入されているそうだ。例えば、総合電機メーカーが製品情報をグローバルに発信する、建設機材メーカーが購入した顧客をサポートする、保険会社が更新の際に別の商品を組み合わせて提案する、などである。
販売が伴わなくとも、デバイスやチャネル、シーンごと、オムニチャネルで顧客とどう接していくかは、コマース以外の企業にとっても課題となっているからだ。
ユーザーも発信する企業も、今後新しいデバイスが出るたびに変わっていくはず。その都度サービスを変えるのではなく、顧客とエンゲージするために必要な要素はすべて束ね、一元的に管理しようというのがハイブリスのコンセプト。もちろん、今必要な一部分の機能から使いはじめることができるが。
最後に、ハイブリスソフトウェア最高戦略責任者のブライアン・ウォーカーさんがこう述べ、しめくくった。
「eコマースの売上は10%程度かもしれないが、ある調査によれば、2013年には30%がネットを見てお店に行っており、2015年では50%になるだろう。ネットで調べた時点で必要な情報がなければそのお店に行かない、という行動が起きている。
また、その際に発信する情報は、パーソナライズして、文脈のあるものでなければいけない。たとえば、平日の夕方5時と、土曜日の午前中の朝とでは、同じレシピ検索でも探している情報は異なるからだ。正しい提案を、しっかりとした文脈で届け、顧客に喜んでいただかなければ。それを可能にするのがハイブリスのCECです」
なお、ハイブリスは2013年にエンタープライズソフトウェア会社のSAPの傘下に入っている。