三菱商事・KDDI・ローソンの3社は2024年2月6日、「リアル×デジタル×グリーン」を融合した新たな生活者価値創出に向け、資本業務提携契約を締結した。
また、三菱商事とKDDIは、公開買付けなどによる、ローソンの非公開化に関する取引に合意。KDDIは、ローソンに対する公開買付けの実施を予定している。本取引の完了後、三菱商事とKDDIはローソンの議決権を50%ずつ保有。共同経営パートナーとして、ローソンの企業価値向上に向け3社で取り組んでいく。
3社は、ローソンのリアル店舗に訪れる顧客、KDDIが有する顧客とのデジタル接点を掛け合わせた「国内有数の生活者接点」へ、各社が有する機能・サービスをつなぐとしている。これにより、ローソンのリアル店舗で、生活者のあらゆるシーンに寄り添う新たな価値を創出する。また、環境負荷低減を含めた、社会が直面する様々な課題の解決に向け、持続可能なサービスも提供するとのこと。
本提携に至った理由の一つには、近年のリテール事業分野の変化が挙げられている。各社が業界横断的な事業やサービスを展開し各経済圏を構築しつつある中、顧客に選ばれ続けるには、顧客の嗜好に合った利便性と利得性などの新たな生活者価値の提供が重要とのこと。
なお、本提携における具体的な検討事例は次のとおり。
(1)リアル領域における取り組み
ローソンとKDDIがもつ合計約1万6,800拠点のリアル店舗ネットワークを構築し、ローソンの店舗網拡大や機能強化を実施。顧客のさらなる利便性向上を目指す。
検討事例
- 「au Style」「auショップ」における、ローソン商品およびサービスの取り扱い(プライベートブランド商品、Loppi、ローソン銀行ATMなど)
- ローソン店舗におけるKDDI商品およびサービスの取り扱い(通信関連商材や銀行/保険サービス、ヘルスケアサービス、エンタメサービス、モビリティサービスなど)
- ローソン店舗でのリモート接客導入による、顧客の生活に寄り添うサービスの提供
(2)デジタル領域における取り組み
KDDIとローソンがもつ会員情報(顧客属性・購買情報など)連携による、国内最大級の顧客データ基盤を活用。ローソンの顧客満足度とロイヤリティ向上を目指す。
検討事例
- ローソンで日常の買い物などを便利かつお得に利用できる、KDDIおよびローソンの利用者向けサービスを開発・提供し、ローソン店舗への送客を拡大
- KDDIのDX知見や技術の提供による、ローソンの店舗オペレーションの最適化
(3)グリーン領域における取り組み
3社の事業基盤を最大限活用し、ローソンが掲げる環境ビジョン「Lawson Blue Challenge 2050!」へ貢献。グリーンでサステナブルな社会の実現を目指す。
検討事例
- ローソンへの太陽光パネルの設置および発電などによるCO2排出量削減
- ローソンで生じる廃食油を原料としたバイオディーゼルの製造など、サーキュラーエコノミー事業の推進
- ローソンにおけるプラスチック容器やペットボトル素材をバイオ系素材へ置き換え、プラスチック使用量を削減