「牛角」「かっぱ寿司」「大戸屋ごはん処」など多業態外食チェーンを展開するコロワイドとヤマト運輸は、コロワイドグループの「給食事業」拡大に向けて、ヤマト運輸の3温度帯(常温・冷蔵・冷凍)物流ネットワークを活用した、新たな物流スキームの運用を開始した。
コロワイドは、「給食事業」における食材などの出荷業務を、ヤマト運輸の3温度帯に対応したターミナル一体型物流施設へ順次移管。将来的な出荷キャパシティの拡大に対して柔軟に対応できる出荷・納品体制の実現や、安定的な輸送力の確保により、さらなる「給食事業」の拡大を目指すとしている。
両社は、サプライチェーン全体の最適化により、温室効果ガス(GHG)排出量の削減や、納品時間変更による給食提供先の生産性向上を図る。
新しい物流スキームの概要
出荷キャパシティの拡大
ヤマト運輸の3温度帯(常温・冷蔵・冷凍)に対応したターミナル一体型物流施設と「宅急便」ネットワークを活用することで、拡大する「給食事業」でも多頻度小口配送による多様な輸配送ニーズへの対応と、安定した出荷・納品を実現。さらに、拠点にとらわれない給食提供先の拡大が可能となる。
持続可能なサプライチェーンの構築
積載量が少ないチャーター輸送から、「宅急便」ネットワークを活用した輸送に切り替えることで、輸送効率が向上し、輸送におけるGHG排出量の削減に寄与するとともに、安定した輸送力の確保も実現する。
納品時間の変更による給食提供先の生産性向上
食材の納品時間が、使用する当日の早朝(6-7時)から使用する前日の日中(14-16時)へ変わることで、比較的業務に余裕のある時間帯に食材の納品・検品が可能に。当日分の調理や翌日分の仕込みの時間がさらに確保でき、給食提供先の生産性向上を実現する。
同社は2024年3月までに、コロワイドグループの全ての給食提供先において、新しく構築した物流スキームへ切り替えを完了させる予定。今後、両社の知見やノウハウを生かし、「外食事業」におけるチャレンジ店舗(今後の事業拡大や市場マーケティングを目的とした小規模展開店舗)、郊外店舗への物流効率化や、「個人向けEC」および「外販事業」の展開、今後さらに拡大が見込まれる「海外事業」など、「給食事業」だけに留まらない幅広い事業領域への展開を検討しているとのこと。
また、引き続きコロワイドグループのサプライチェーン全体の可視化・最適化を進めるとともに、ヤマト運輸の物流ネットワークを活用することで、持続可能なサプライチェーンの構築を目指す。