共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営するロイヤリティマーケティング(以下、LM)は、新型コロナウイルス感染症による消費者動向の変化を把握するため、Pontaデータの分析をおこなった。LMが保有するポイント変動データ(加算・減算)を分析することで、消費者の実店舗での買い物動向が、コロナ禍および5類感染症移行によってどのように変化したのかをまとめ、発表した。
TOPICS1:実店舗の利用回数はコロナ禍により大きく減少 5類感染症移行後は92%と回復傾向が見られるもコロナ前までには戻らず
実店舗での買い物動向について利用回数の変動を比較すると、全体でコロナ禍は22ポイント減の78%となった。2023年5月8日の5類感染症移行後については、92%と回復傾向がうかがえる。
性年代別では、コロナ禍の利用回数の変動が20代で男女問わず70%ともっとも減少しており、コロナ禍で行動が大きく変化した層と見られる。5類感染症移行後は、男性30~50代で95%以上となり、コロナ前とほぼ同じ水準まで回復。一方、女性では90%に満たない年代が多く、実店舗利用の回復傾向が鈍いことがうかがえる。
TOPICS2:平日・休日にかかわらず実店舗の利用回数はコロナ禍に大きく減少 5類感染症移行後には回復傾向が見られる
実店舗の利用回数の変動を平日・休日別に見ると、コロナ禍において平日78%、休日80%と大きく減少。5類感染症移行後については、平日92%、休日93%と回復傾向がうかがえる。
休日にまとめ買いをして、平日は買い物を控えるなど、買い物回数の違いが見えることが予想されたが、平日と休日を比べて変動の差は小さかった。平日・休日にかかわらず、新型コロナウイルス感染症が消費者の買い物回数を抑制していたことがうかがえる。
TOPICS3:実店舗の利用者数はコロナ禍に20代男女、70代女性が大きく減少 5類感染症移行後は全性年代で回復傾向に
実店舗での買い物動向について利用者数の変動を比較すると、全体でコロナ禍は10ポイント減の90%となった。5類感染症移行後においては、96%と回復傾向がうかがえる。TOPICS1の利用回数と比べると減少幅が小さくなっており、コロナ禍では消費者は買い物に行く回数を減らし、まとめて買い物を済まそうとしたのではないかと考えられる。
性年代別では、コロナ禍の利用者数の変動が、20代男女、70代女性で約85%と減少しており、コロナによって行動が大きく変化した層と見られる。5類感染症移行後は、男性30~60代で100%以上となり、コロナ前と同じ水準またはそれ以上まで回復している。一方、女性では100%まで回復した年代はなかった。
分析概要
- 分析対象期間:2017年~2023年の各年5月8日~7月2日 5類感染症に移行した2023年5月8日を起点に8週間で区切った期間で比較
- 分析データ:Pontaポイント変動データ(加算・減算)
※買い物動向についてコロナ禍前を基準とするため、2017年と2019年を比較した実店舗の利用状況を100%として分析