ウェザーニューズは、スーパーマーケットや飲食チェーンの店舗の発注業務やシフト管理のDX化を推進するため、気象データ提供・分析サービス「WxTech(ウェザーテック)」において、小売や飲食事業者向けに1kmメッシュの天気予報を用いた「来店客予測データ」の提供を開始した。
スーパーマーケットやコンビニ、アパレル、ドラッグストア、ホームセンター、飲食店では、従来から天候の影響を大きく受けて、売れ残りや品切れによる食品ロスや機会ロスのほか、シフトの調整ミスによるスタッフ不足・過剰が発生している。しかし、店長が人力で売上や需要予測、シフト調整を行う場合、天気まで考慮するのは難しく、経験やスキルの差によってばらつきが生じ、発注業務の時間もかかってしまうことが課題となっている。これらの課題解決のため、スーパーマーケットや飲食チェーンでは「自動発注システム」の導入が進められている。
同社はこれを受け、高精度かつ高解像度な1kmメッシュの天気予報を活用した「AI来店客予測モデル」を開発し、2週間先までの「来店客予測データ」の提供を開始。1kmメッシュ過去天気予報データ・店舗の来店客数・カレンダー情報の3つの過去データを機械学習させて構築した独自の「AI来店客予測モデル」に、最新の1kmメッシュの天気予報を取り込むことで、店舗の来店客数を高精度で予測する。
同データでは、日々の天気による来店客の変動だけでなく、台風接近や大雪など荒天時の買い控えも考慮。企業は同データを取り入れることで、発注やシフト調整の業務時間を削減できるだけではなく、自動発注に導入される場合は精度向上にともなうチャンスロスや見切・廃棄ロスの削減も期待される。
1km メッシュの天気予報を用いた「来店客予測データ」
正確な自動発注の実現には来店客の予測データが必要になるため、当社は1kmメッシュの天気予報とAIアルゴリズムを用いた「AI来店客予測モデル」を開発。気象データ提供・分析サービス「WxTech(ウェザーテック)」サービスにおいて、店舗ごとのピンポイントな「来店客予測データ」の提供を開始した。日々の天気による来店客の変動に加えて、台風接近や大雪が予報される場合の当日の買い控えのような、荒天時の購買傾向も考慮する。
同サービスは、次の3種類の「過去データ」をAIで学習させて来店客予測モデルを構築し、店舗の緯度経度に基づく「1kmメッシュ天気予報」を反映することでより高精度に予測する。
- 1kmメッシュの「過去天気予報データ」
- 店舗ごとの過去の来店客数や定期的に開催されるセール日などの「ビジネスデータ」
- 曜日やイベント(クリスマスなど)の「カレンダー情報」
「来店客予測データ」はクラウド経由で提供されるため、企業の既存システムとの連携が可能に。緯度経度や時間を指定するだけで、必要なタイミングにデータを自動取得することができる。また、予測の解像度を高めたことにより、店舗ごとのピンポイントな情報の入手も可能となっている。
同社は、これにより企業が自動発注システムの精度向上やスーパーマーケットにおける購入率の計算、飲食チェーンにおける売上予測やシフト調整などの用途で活用できると見ている。