Shopify(ショッピファイ)の日本法人Shopify Japan株式会社は、Shopifyが「Shopify Editions Summer ‘23」を実施し、過去最大となるAI製品や100種類以上の機能アップデートをリリースした旨を発表した。
Shopifyでは、最新製品やイノベーション、機能アップデートの発表を目的とした年2回のプログラム「Shopify Editions」を2022年から開始。2023年7月26日に発表した「Shopify Editions Summer ‘23」では、起業家向けに開発されたAI、他ブランドの商品をキュレートして販売する新たな手法、オペレーションを合理化する統合的なマーケットプレイスでの取引、チェックアウト機能のさらなる最適化など、100種類以上のアップデートを公表した。
同プログラムで発表された新たな製品・機能やアップデート内容は、次のとおり。
Shopify Magic(一部日本語対応)
Shopifyは、2023年4月にプラットフォーム上で利用できるAI対応機能群「Shopify Magic」を発表し、ストアに掲載する商品説明文作成を手助けする「product descriptions」の先行提供を開始。同機能は、既に日本語での利用も可能となっている。
今回新たに発表された「Sidekick」は、Shopifyの事業者が立ち上げた事業を拡大していくためのAI対応コマースアシスタントであり、「Shopify Magic」の中でも中核となる機能。ビジネスオーナーは専門知識の有無に関係なく、「Sidekick」と会話をすることでクリエイティブなプロセスを開始し、店舗の品質や生産性の向上、ワークフローの合理化、よりスマートなビジネス上の意思決定を実施できるとのこと。
Shopifyは「Sidekick」について、まもなく英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語、日本語、ポルトガル語(ブラジル)、中国語(簡体字)に設定されている様々な市場において、限定された事業者のみが利用可能となる予定としている。
この他にも、「Shopify Magic」では次のような機能が発表されている。
各事業者向けにパーソナライズされたFAQと回答の推奨
「Shopify Magic」では、一般的な顧客からの質問について個別の回答を作成。事業者はそれらの回答を「Shopify Inbox」経由で確認、編集、公開することができる。これらの回答は質問をした顧客と自動的に共有されるため、リアルタイム応答の手間を削減することが可能に。
あらゆる祝日、ビジネスの節目、キャンペーンのアイデアに対応したブログ記事を瞬時に作成
説得力のある件名、魅力的なコンテンツなど、コマース向けに構築された電子メールを瞬時に生成
同機能では、最適なパフォーマンスを実現すべく、送信時間などの設定も可能としている。
「Shopify Magic」の機能の多くは、現時点で英語に対応。一部の機能が日本語を含むその他の言語にも対応しているとのこと。
Shopify Marketplace Connect(世界各国で利用可能)
ビジネスを成長させる上で商品を販売するプラットフォームやチャネルの数が増える事業者に向け、Shopifyでは新アプリ「Shopify Marketplace Connect」の提供を開始。Amazon、Walmart、eBayなどの大型マーケットプレイスで発生した注文の在庫管理、配送手続などの一元対応をShopify上で実現し、複雑な管理の負担を軽減。ビジネスオペレーションの合理化に貢献するとしている。
同機能は、既に世界各国で利用可能となっている。
Shopify Collective(米国の事業者限定で利用可能)
Shopifyは、2022年6月に企業間取引(B2B)向けソリューションをローンチし、現在までにカスタマイズが可能な機能を45種類以上リリースしている。B2Bビジネス拡張を目指す事業者が商品ポートフォリオの拡張を行う際のリスクや課題に対するソリューションとして、今回新たに「Shopify Collective」の提供を開始した。
同ソリューションは、事業者とオンラインストアで商品販売をしたい他のメーカー・ブランドが展開する商品をバーチャルで結びつけるもの。事業者の商品在庫調達や初期費用、前払費用の負担をなくし、取扱商品を増やすリスクやコスト軽減に貢献するとしている。同ソリューションは現在、米国の事業者限定で利用可能。
Shopifyは、世界の卸売市場規模が推定7.9兆と、成長領域として注目されている背景を踏まえ、同社はB2B製品の開発投資を積極的に行っていくとしている。そのため、「Shopify Editions Summer ‘23」内では「Shopify Collective」に加えて、卸売注文をより容易に行うための主要機能やまとめ買いを促すボリュームプライシング、見込み顧客がB2Bバイヤーに登録するためのリンクをオンラインストアなどの任意の場所に追加する機能提供も発表された。
Shopify Checkout
2022年内に50兆ドル以上の売上を処理し、5億6,100万人のオンライン買い物客をサポートした「Shopify Checkout」。これらの実績から得たインサイトを活かし、チェックアウトエディタ内で管理するためのAPI17種類を新たに追加したと発表。この他にも、カスタマイズされた配送オプションを提供したい場合に、荷物の受け取り場所や配送日、推奨される住所などを含められるようになるなど、パートナーや開発者がアプリ上でユニークなチェックアウト体験を実現できるよう、既存機能のアップデートや拡張性の向上も実施している。