富士通は、自律分散型社会を支える「Fujitsu Web3 Acceleration Platform」のデータトラスト基盤「Data e-TRUST」に、複数のブロックチェーンシステムを容易に連携できる同社独自の「ConnectionChain(コネクションチェーン)」技術を試験的に統合。複数の経済圏を柔軟かつ安心安全に連携できる試作環境を2023年6月30日から提供を開始する。同社グローバルパートナー共創プログラム「Fujitsu Accelerator Program for CaaS」に参画するパートナーが対象となる。
同社は、金融証券のクロスボーダー取引の効率性や安全性の向上に向けて、アジア開発銀行やブロックチェーンベンダーのConsenSys Software Inc.、R3、ソラミツと共同で、2022年1月から1年間、「ConnectionChain」技術の実証実験を実施。有効性確認を経て、今回の提供に至った。
「Data e-TRUST」に追加する開発機能 「Fujitsu Web3 Acceleration Platform」では、高度なコンピューティング技術とソフトウェア技術を誰もが容易に利用できるサービス群「Fujitsu Computing as a Service」上でデータトラスト基盤「Data e-TRUST」を提供している。
今回、「Data e-TRUST」に新たに追加する「ConnectionChain」は、複数の外部のブロックチェーンが一つの整合性を持ったシステムとして動作させることを可能とする「拡張スマートコントラクト」を自律動作させる特徴をもつ。異なる種類のブロックチェーンを連携するには、各ブロックチェーンの仕様の違いを吸収する連携部の開発が必要だが、今回はHyperledger Foundationにて活動している「Hyperledger Cacti」が開発した、分散型台帳基盤への連携を実現するプラグイン(以下「Cacti-LP」)を用いて、この開発を効率化している。これにより、「Hyperledger Cacti」がサポートする多様なブロックチェーンへの連携が「Data e-TRUST」から可能となり、新たなWeb3サービスの構築が容易となる。
また、「Hyperledger Cacti」をサポートする他社ブロックチェーンから同社の「Data e-TRUST」へ連携するための「Cacti-LP」も開発。ソースコードを「Hyperledger Cacti」の開発コミュニティに寄贈することにより、「Hyperledger Cacti」を介した外部パートナー企業とのWeb3サービス提供を加速させる。