博報堂の広告事業を超えた新規事業開発を目指す「ミライの事業室」は、日本発の即時配達サービス（Qコマース＝クイックコマース）企業、OniGOとともに開発したマーケティングツールかつ販促広告メディアの側面も持つ新サービス「Q-MEDIA」の提供を開始した。
Q-MEDIAは、OniGOの資産であるオンライン・オフラインのチャネルを活用し、博報堂による統合型データドリブンマーケティングが実現できるマーケティングツール、販促広告メディア。同サービスでは、次のようなメニューを用意している。
- 生鮮食品から日用品までさまざまな商品を注文から最短10分で届ける専用スマホアプリ
- 自社で採用している配達員などのスタッフ、商品を実際に喫食・利用したユーザーのインサイトを分析できるヒアリングデータ
- どんなものと一緒に購入されやすいのか購買傾向を分析できる併売データ
- リアル店舗を活用したサイネージメディアや店頭支援 など
同サービスでは、アプリ上で新商品サンプルを能動的にカートに入れたユーザーの性別や年齢、買い物の傾向や一緒に買った物など、購買者の購買行動によるデータを取得・分析することで、より精緻な顧客インサイトを取る「能動的サンプリング」手法や、Qコマースの特性である「即時配達」、注文された商品を使ったレシピによる「レシピ売り」など、新商品開発から販促まで特徴を生かしたマーケティングメニューを提案している。また、購買傾向を分析できる併売データとリアル店舗を活用し、サイネージメディアを組み合わせた販促支援など、クライアントの要望に合わせた施策メニューのカスタマイズも可能だという。
提供サービス例
冷凍食品や重たい商品も配送可能な商品サンプリングを活用した「テストマーケティング」
最短10分で直接配送するOniGOの特性から、従来テストマーケティングが難しかった冷凍食品や重たい商品も制限のない実施を実現。
また、専用アプリ内で買い物のついでにサンプリング商品の受け取りを選択できるUI・UXを設計し、購買者が能動的に該当商品をカートに入れるかを検証する「能動的サンプリング」手法を開発。商品にすでに関心を示した層だけがカートに入れる仕組みから、実際に商品を試したユーザーのフィードバックを効率的に収集する。博報堂の生活者データベースと収集した併売商品のデータをかけ合わせて、優良顧客の購買傾向を分析する場にもなるとのこと。あわせてパッケージやリーフレットなどを作成・提供することで、開封体験まで含めた販売方法の検証も可能となる。
生鮮食品と調味料等を一緒にお届けし、商品の使い方までレクチャーする「レシピ売り」
調味料やレトルト食品などを単体ではなくOniGOが取り扱う生鮮食品とレシピコンテンツを組み合わせたキャンペーンとして届けるために、アプリから該当商品と併せて使用食材の購入ができる仕組みを構築。詳細レシピも掲載することで、作ってみたいと思ったユーザーが即座に作れる環境を整え、ラストワンマイルに効果的な状況構築を実現する。
商品だけでなく体験を提供する、相性の良い商品を組み合わせた「セット買い提案」
これまで使用タイミングやオケージョンなどの訴求が難しかった商品も、セット買いの提案により食べ方をはじめ使い方、楽しみ方までデザインして訴求することが可能に。また、併売データから該当商品と一緒に購入されている商品を分析して、セット販売を提案することもできる。
オンライン施策と連動したデジタルサイネージやOniGOスタッフを活用した「店頭販促」
アプリで行うオンラインでのキャンペーンと連動させて、提携しているリアル店舗で販促キャンペーンを実施。デジタルサイネージや派遣しているOniGOピッカー（店舗で商品をピッキングする担当者）による商品案内・品出しサポートをはじめとした店頭での販促支援を行う。
メニューは今後開発・ヒアリングなどの結果からさらなる拡充を予定している。
