SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

最新イベントはこちら!

ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

ECzineニュース

ソフトバンクなど3社、配送ロボットとARナビゲーションのデータ共有に関する実証実験を実施

 ダイナミックマッププラットフォーム、ソフトバンク、ビーブリッジの3社は、空間IDを活用した、配送ロボットとARナビゲーションのデータ共有に関する実証実験を、2023年2月に東京ポートシティ竹芝で実施した。なお、本実験は、デジタル庁から受託した「デジタルツイン構築に関する調査研究」の一環として行われたものである。

空間IDを活用した、配送ロボットとARナビゲーションのデータ共有に関する実証実験

 空間IDとは、3次元空間をボックス状に切り分けることで、空間情報の基準が異なる場合でも、一意に位置を特定できる規格のこと。空間IDに静的・動的な情報を紐付けると、空間IDをキーにして空間情報を簡易に統合・検索できる。また、データの高速処理も可能になる。本実験は、この空間IDを活用して行われた。

 ロボットの自律走行や、ARナビゲーションのようなアプリケーションの稼働には、位置情報や建物の情報などを取得して地図を作成し、事前にルート設定を行う必要がある。しかし、地図の規格や基準となる座標が事業者によって異なるため、別の事業者が同じエリアでロボットなどを導入する場合でも、新たに地図の作成や位置情報の登録を行わなければならない。その工数やコストが、配送ロボットなどの導入障壁となっている。

 そこで3社は地図の作成や位置情報の登録などの作業効率化を目的に、共通の規格である空間IDに空間情報や地図情報などのデータを紐付け。ダイナミックマッププラットフォームが開発した「地図・GIS基盤システム」を通して、異なる企業のシステム間でデータを共有した。

実証実験の仕組み

 具体的には、空間情報(ロボットの配送地点や建物内の情報)や地図情報などのデータを紐付けた。その結果、ソフトバンクが開発した自律走行ロボット、ビーブリッジが提供するARナビゲーションアプリといった、異なる企業のシステム間でデータが共有できた。

 この仕組みで共有されたデータを活用すれば、地図の作成や位置情報の登録などの作業を効率化できる。たとえばソフトバンクの場合、従来自律走行ロボット用の地図作成にかかっていた工数を、最大8割程度削減できると考えられる。また、ビーブリッジの場合、効率よく、正確なARナビゲーションの提供が可能となる。

 今後3社は、実証実験で得られた知見をもとに、様々な企業のシステム間でデータの共有を進める。それにより、自律走行ロボットをはじめとする、空間IDの活用事例を拡充していく。

実証実験の内容

空間情報やロボット用の地図などを空間IDに紐付け

 ソフトバンクがロボット用の地図を作成。ロボットの出発地・経由地・目的地や建物の情報などの空間情報、作成した地図の情報を空間IDに紐付け、地図・GIS基盤システムに登録した。

空間IDを活用した自律走行ロボットによる配送

 ソフトバンクが開発した自律走行ロボット「Cuboid」を活用。地図・GIS基盤システムを通して、空間IDに紐付いた建物の情報を読み込むとともに、登録した出発地・経由地・目的地のデータをもとにルートを設定して、物資の配送を行った。

空間IDに紐付いたデータの共有

 空間IDに紐付いた空間情報や地図の情報を、異なる企業のシステムでも活用できるか検証するため、地図・GIS基盤システムを通してビーブリッジにデータを共有した。

共有データを活用したARナビゲーションの実施

 ビーブリッジが地図・GIS基盤システムを通して共有されたデータを活用し、ARナビゲーションアプリで建物内の目的地までのルートや店舗情報などを表示。人による配送のサポートを行った。

各社の役割

  • ダイナミックマッププラットフォーム:地図・GIS基盤システムの提供
  • ソフトバンク:自律走行ロボットの提供と自律走行システムの運用、ロボット用の地図の作成、空間情報やロボット用の地図情報の空間IDへの紐付け
  • ビーブリッジ:ARナビゲーションアプリの開発、ARナビゲーション用の地図の作成、ARナビゲーションに必要な情報の空間IDへの紐付け

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
この記事の著者

ECzine編集部(イーシージンヘンシュウブ)

ECZine編集部です。ネットショップ運営に役立つ情報をお届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事をシェア

ECzine(イーシージン)
https://eczine.jp/news/detail/12754 2023/04/25 17:30

Special Contents

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング