博報堂の広告事業を超えた新規事業開発を目指す「ミライの事業室」は、日本発の即時配達サービス(Qコマース=クイックコマース)企業であるOniGOと、新たなマーケティング事業の共同開発のため、資本業務提携を行った。
Qコマースとは、実店舗を持たず、食料品や日用品などの注文を受けてすぐに倉庫拠点(ダークストア)から配達員が商品を配達するECサービスとして、コロナ禍で注目が集まっている。
そのなかでOniGOは、「10分で届く宅配スーパー」として2021年に設立。自社で配送担当のライダーを採用し、利用者との積極的なコミュニケーションを通じて、地域に密着した安心安全な買い物体験を提供している。目黒区でスタートしたサービスは現在22区7都市に広がり(2022年8月時点)、今後も都内を中心にエリア拡大が予定されている。
今回、博報堂はOniGOと資本業務提携し、同社が培ってきたさまざまなマーケティングナレッジやソリューションと、OniGO独自のQコマースシステムを掛け合わせた新たなマーケティング事業「Q-MEDIA」の開発に共同で取り組む。
「Q-MEDIA」は、OniGO の即時購買・配達システムや地域密着型ライダー、アプリ・SNS、利用者の購買データなどを活用し、OniGO が所有するオンライン・オフラインのチャネル全体で統合型マーケティングを実現する仕組み。今すぐ食べたい・買いたいという欲求が高まっているユーザーとの即時コミュニケーションによって、新しいブランド体験や買物体験を提供する。
同事業の開始にあたっては、国内企業に向けたソリューションとして、テストマーケティングと一体化した新規ブランド立ち上げ支援や、D2C・通販ブランドの販路拡大、即時購買データを活用したカスタマイズメニューなどを提供していく予定とのこと。
なお、OniGO が小売・流通業以外の企業と共同事業開発を行うのは本件が初となる。
両社は今後、同事業による多様な価値提供を通じて、企業のデータドリブンビジネスの可能性を拡げ、ビジネス成果の創出に貢献していく考え。