大日本印刷(DNP)は、リモートで接客中の顧客の声からAI(人工知能)が“感情”を解析し、接客中のオペレーター等に解析結果の“感情”を伝え、より効果的な接客・商談になるよう支援するシステムを開発した。
DNPは2019年からビデオ通話等によるリモートの接客・商談を支援する「DNP遠隔接客支援サービス」を提供している。このサービスなどに、今回開発したAIによる感情解析システムを組み込み、12月に、感情解析を利用したリモート接客の代行支援を開始する。
「AIによる感情解析システム」の特徴は、次のとおり。
1.顧客との会話から顧客の“感情”をリアルタイムに可視化
本システムの音声感情解析は、接客・商談の際に顧客が発した「声の波形の振幅や間隔」と「周波数」について、AIが独自の計算方式と測定によって解析し、話し手の“感情”の状態を可視化する。解析した“感情”は、9つの感情(正直・本心/高い期待/興奮/恥じらい/確信が持てない・自信がない/ストレス/緊張/強い興奮/より高いストレス)に分類される。
この“感情”を「顧客の発言の信憑性」や「現状の心境」として、リモートで接客中のオペレーター等が扱う情報端末に表示。音声分析の結果をオペレーター等がリアルタイムで知ることができるため、接客しながらより効果的な商談の進め方や情報提供の仕方を検討していくことができる。
2.顧客との会話などの個人情報を記録せずに感情解析が可能
本システムは、顧客との会話を録音・録画することなく、リアルタイムで“感情”を解析し、オペレーター等に通知するため、個人情報の管理に配慮した運用が可能になる。また本機能は、「DNP遠隔接客支援サービス」だけでなく、他社のリモート接客システムや機器に対しても、特別な仕様に変更することなく導入できる。
3.システム提供のほか企業のリモート接客の代行支援まで幅広く対応
DNPは、今回開発したシステムの提供だけでなく、本システムを使ったリモート接客の代行支援など、幅広い業務に対応する。また、リモート接客を行う専門スタッフの派遣や育成、接客に必要なコンテンツの作成や実店舗の効果的な陳列棚づくり、接客の効果分析などもトータルで提供する。