位置情報を活用したマーケティングやサービス施策の促進を目的に活動する43社の企業連合であるLBMA Japanは、国内における位置情報をベースにマーケティングサービスを展開する企業を中心としたカオスマップの2021年版を公開した。
※なお、カオスマップはLBMA Japan参加企業および主要企業を調査して独自に作成しており、網羅性や正確性を完全に担保しているものではない。
※多分野の事業・サービスを展開している企業については、1-2個の代表的なカテゴリを選定して掲載している。
2021年版カオスマップの特徴は、次のとおり。
「位置情報アプリ・ゲーム」分野で“ポイ活”サービスが躍進
これまでスマホアプリでの位置情報活用は、(移動検索や場所に応じた情報にアクセスできて)便利、(場所に応じたゲーム体験ができて)楽しい、といったところが注目されてきた。しかし、コロナ禍によるリモートワークや宅配サービスの普及、EC市場の拡大など、移動を控えたライフスタイルも定着しつつあるなか、移動データである位置情報データは、これまで以上に消費者の嗜好性や購買意向との関連性が注目されるようになった。それらを背景に、移動するだけでマイルやポイントが貯まる“ポイ活”アプリが注目を集め始めている。
クッキーレス時代への対応として「リテール広告」カテゴリが出現
位置情報データの大規模活用が一般化してきたことと、大手プラットフォーマーのサードパーティCookie排除・データ取得制限を背景に、位置情報データと小売業の購買データとを掛け合わせることで実現する「リテール広告」カテゴリが新たに出現した。
データの掛け合わせによる新たなメディアビジネスであると同時に、消費者の購買意向に寄り添った販促広告手法としても、これからの成長が期待される。
位置情報データを活用した「見守り・防災」「モビリティ・スマートシティ」分野が本格化
これまで、個別の見守りアプリサービスなどで注目されてきた分野だが、位置情報データが人流を網羅的に捉えるといった社会的な活用方法の広まりとともに、防災やモビリティ・スマートシティへの適用が本格化。SDGsやSociety5.0に向けた取り組みとしても注目される。
「携帯キャリア」「位置情報・POI データプロバイダー」「ビーコン/IoT/Wi-Fi」分野が基盤サービスとして進化・定着
さまざまな分野での位置情報データ・位置情報マーケティングサービスが活性化された理由のひとつには「位置情報をビッグデータとして取得・蓄積し、活用可能な形で提供する」といった役割を当カテゴリが広く果たすようになったことが挙げられる。各社の技術やサービスの発展に加え、業界全体での連携が進んだことにより定着したといえる。