3年間原稿落とさず!金子洋平さんにキャリアを訊く
金子洋平さんは、ファッションECに詳しいライターさんであり、現在はファストメディアというアプリを制作する企業で「エバンジェリスト」として活躍しています。2014年3月から毎月落とさず、記事を書き続けてくださっています(金子さんの記事一覧)。
まさに、ECzineを支えてくださるメインクリエイターのひとりである金子さんと、ゆるりとじっくり、キャリアや「書くこと」についてお話ししました。
(ワダ) 金子さんに原稿をお願いすることになったきっかけは、GMOペパボ(ASPカート「カラーミーショップ」を運営)さんのイベントに行った際に、パネルディスカッションに登壇しているのを聞いてでした。「あの人おもしろそう」って、ペパボさんに紹介してほしいとお願いしたんです。
ECzineにも、なんかこう、おしゃれな連載が欲しかったんですよね。それで始まったのが、「おしゃれなネットショップを始めよう」でした。ペパボさんのイベントに登壇されてたわけですけれど、そもそも金子さんは、GMOグループで社員として働いていたんですよね。
(金子) 2002年に、GMO本体に新卒で入社して、2年間働いていました。最初はコールセンターに配属されてテレアポとかいろいろやってましたね。その後、新規事業のマーケティングを経て、最後はソリューション営業でした。
(ワダ) 2年間で辞めてしまったのは?
(金子) 会社員として働いているうちに、趣味で「裏原.jp」というサイトを趣味で作ったら、人気が出ちゃって。2004年に独立しています。大学生の頃、原宿のファッションがすごく好きで、お店の情報がインターネットになかったんですよ。だから、住所や電話番号を、まとめるサイトを作りました。
(ワダ) インターネットな感じですね。
(金子) 僕は、インターネットに触れるのがすごく早くて。高校生の時、実はアニメオタクだったんですけど、趣味でアニメ関連のホームページを作って、独学でHTMLも覚えて、オフ会もやってたんです。インターネットっておもしろいって思いました。でも、まぁ、モテないですよね。大学に入るタイミングで、制服から私服になるし、モテたいし、洋服好きになろうと。それで洋服好きになって、「裏原.jp」を作りました。
(ワダ) いまの「おしゃれ通信」の由来は、そこまで遡るわけですね。サイトが人気が出たから、ECも始めたという流れですか?
(金子) GMOで働いている最中はメディアだけで、広告収入がメインでした。とは言っても、アフィリエイトでほかのECに送客していて、僕、スーパーアフィリエイターの走りだったんです。でも欲が出て、洋服売りたいなと思ったのが、ECの始まりです。サイトにトラフィックがあったのでサクッと売れちゃって、広告収入よりもECの売上のほうが大きくなるまで、あっと言う間でした。
(ワダ) ECzineで連載をお願いした3年前は、EC事業者さんだったわけですよね。ペパボさんとは、ECを始めたことでのお付き合いですか?
(金子) 高校生でサイトを作っていた頃から、ペパボさんのレンタルサーバー「ロリポップ」を使っていたんですが、カート「カラーミーショップ」ができた時点で、それまで使っていたカートから乗り換えて。一番最初の事例みたいな感じで取り扱ってもらいました。新しい機能を追加する際に「これはどう思います?」といったことを聞かれたり、ペパボさんがセミナーで地方遠征される際は一緒に行ったりして、もう10年くらいのお付き合いです。
(ワダ) 私から「連載してください」ってお願いしたときは、どう思いました?
(金子) 書くことは昔から好きで、「ウェブ2.0」の頃からブログを書いてましたし、他社さんに寄稿したりもしていました。Facebookを見てもらえばわかるとおり、発信することはすごく好きなんです。
(ワダ) 金子さんは原稿落とさないし、気づいたら取材にも行ってくださっているし。私、原稿を催促した記憶がたぶん、ないです。
(金子) やっぱり、人に会うのも、書くのも好きだからだと思います。ワダさん、「自由に書いていいよ」って言うから、自由に取材しに行ってます。無印良品さんに取材したいなと思ったら、電話やメールで依頼して、そしたら川名さんが会ってくださって(記事「国内アプリ700万DL突破、香港版もスタートへ。無印良品が考えるユーザーコミュニケーションとは」)。
(ワダ) 最初の連載「おしゃれなネットショップを始めよう」はノウハウもので、次の連載「おしゃれ通信」も、当初はツール紹介などが中心でした。1年前くらいでしょうか、取材モノに切り替えたのは何か理由がありますか?
(金子) 自分でリサーチしてまとめるのもいいけれど、「人から得られるものって大きいな」と思いました。また、僕自身、EC事業者から離れつつもあるから、第一線で取り組まれている方の話を聞きたいというのもあると思います。[続く]