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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

ECzine Day 2021 Autumn レポート(AD)

ウェブ接客で購入完了改善率を改善 リアル店舗同様の声かけ・案内でユーザーの“つまずき”を解消しよう

 ECサイトの成果を改善する上で有効な手段とされるウェブ接客。ユーザーの行動や心理を深く理解し、適切なコミュニケーションを取ることは、顧客満足度だけではなく成果の向上にもつながる。2021年9月3日開催の「ECzine Day 2021 Autumn」にて、ECサイトや会員登録・資料請求などの申込ページを中心に250社以上の企業を支援してきた株式会社Sprocket 代表取締役の深田浩嗣氏が、コンバージョンの最適化をテーマとした講演を実施。これまでに培った知見やノウハウを紹介した。

EC担当者とユーザーの「当たり前」の乖離 思わぬ改善ポイントも 

株式会社Sprocket 代表取締役 深田浩嗣氏
株式会社Sprocket 代表取締役 深田浩嗣氏

 ウェブ接客の役割について理解を深めるべく、深田氏はまず「接客」というアプローチの位置づけについて語った。これまで企業がユーザーへアプローチする際には、ウェブサイトに誘導するまでの活動「集客」と再来訪してもらうための「追客」が主な手法とされており、具体的にはSEO対策や広告・SNS・メルマガでの情報発信などの施策が行われていた。これらはユーザーがウェブサイトに来訪する前段階で行うものだが、ウェブ接客はユーザーがサイトに来訪した後のアプローチとなる。

「ウェブ接客は、コンバージョン率を高める施策のひとつとして位置づけることができます。コンバージョンの最適化を行う際には、『ウェブ接客=パーソナライゼーション×A/Bテスト×行動分析』と考え、ユーザーが必要としているものは何か探っていくと良いでしょう」(深田氏)

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 ウェブ接客を実践するにあたっては、さまざまな手法やツールがあるものの、共通して「フリクション(=ユーザーのつまずき)に着目することが大切」だと深田氏は言う。EC担当者とユーザーの意識は、思わぬところで乖離している場合があると説明し、具体的な事例を紹介した。

「当社の顧客企業のECサイトで、ハンバーガーメニューに『ココをクリックすると商品一覧が現れますよ!』という表記を入れたところ、購入完了改善率125%を記録した事例があります。ECサイトに慣れているユーザーであれば当たり前に感じるハンバーガーメニューですが、そうではないユーザーが一定数いることを理解し、施策を講じることも必要です」(深田氏)

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 深田氏は「一見意味がないように思えても、実際に行ってみると大きな効果が現れるケースは多い」と話す。こうした意外なフリクションを見つけることが、ウェブ接客を改善するきっかけとなる。

 フリクションの発見には、「なぜ生じているのか」といった理由の把握が必要だ。深田氏は、「大きくふたつの問題がある」と解説する。

「ひとつめは、コロナ禍によってECサイトの活用に不慣れな層の利用が増加し、ハンバーガーメニューのような定石の仕組みでもつまずいてしまうユーザーがいること。ふたつめは、レコメンドなどあらゆるサイトからの受動的な情報収集だけで完結してしまうがゆえに、ECサイト内で積極的に商品検索を行うといった能動的な情報収集をするユーザーが減少していることが挙げられます。後者は主にデジタルネイティブ世代で起きている問題です」(深田氏)

 こうしたフリクションを解消するには、ユーザーの行動を見て、必要に応じて的確な接客を行うことが重要だ。しかし、リアル店舗ではごく当たり前のことながらも、非対面のECサイトで実践することは難しいと感じる人もいるのではないだろうか。そこで深田氏は、ECサイトでティザー動画の自動表出やチャットを用いた声かけなどを行い、接客を実現した事例を紹介しながら次のように訴えた。

「リアル店舗でもECサイトでも、本質的な接客コミュニケーションの価値は『声かけ』『質問』『案内』によって、フリクションを解消することにあります。フリクションの存在に気づかない、気づいても解消しないユーザーが増える中では、テクノロジー活用で解決を手助けすることに価値があると考えています」(深田氏)

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フリクションの発生ポイントと対策方法 6つの事例を紹介

 カスタマーサクセスに注力するSprocketは、顧客企業を支援するにあたり生じる可能性が高いフリクションを想定。それらに対する改善策として、実際のシナリオ事例を作成している。本セッションでは、その中からECサイトにおける改善事例を6つピックアップして紹介した。

フリクション1:どこに行って良いかわからない

 情報量が多いトップページなどの直帰率が高い場合は、「サイト内に選択肢が多すぎる」「検索したい商品が思いつかない」といった理由が考えられる。そこで有効となるのが、ポップアップを用いて「何をお探しですか」と呼びかける「声かけ」だ。

 来訪後に一定時間が経過したユーザーに対し、迷っていることを前提に表出する。とくに商材や選択肢が多いサイトに有効であり、緑茶を販売するECサイトで「贈答用?」「自家用?」という声かけから案内を行ったことで、購入完了改善率が109%となった事例もあると言う。

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フリクション2:どんなサービスかわからない

 ユーザーが初めて見る商品・サービスを提供するECサイトでは、「よくわからないままページを閉じてしまう」といった動きが頻発する。これに対しては、商品・サービス内容の紹介動画を流すなど、来訪直後に概要を紹介することでユーザーの興味を惹きつけ離脱を防ぐことが可能だ。遺伝子検査キットを販売するECサイトで内容紹介の動画をポップアップ表示したところ、124%の購入完了改善率を記録している。

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フリクション3:ページが縦長すぎて内容を覚えられない

 LPなど情報量が多いページの場合、スクロールしているうちに主題や内容の理解が難しくなり、離脱してしまうケースも存在する。これに対しては、重要なポイントにスクロールを要するポップアップを設置することでユーザー理解を深め、離脱の改善が期待できる。ある化粧品メーカーのLPでは、効果効能をアピールするポップアップを設置したところ、購入完了改善率が106%となった。

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フリクション4:商材の存在に気づいていない

 ユーザーが潜在的に必要としているものでも、「自分には関係ない」という思い込みで目に留まらないケースは往々にして存在する。この場合は「商品・サービスを知っていますか」といったアンケート形式のポップアップを活用し、「ユーザーに気づきを与えると良い」と深田氏はアドバイスする。ここでは、百貨店のECサイト内でクレジットカードの紹介を行い、カード申込完了改善率を170%に押し上げた事例を紹介した。

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フリクション5:付帯情報をチェックしていない

 商品詳細ページなどで、本来必要としているにもかかわらず、サイズや素材などの付帯情報を「なんとなく見過ごし、離脱してしまった」というユーザーは一定数存在する。この場合は、付帯情報を先に伝えることで購入検討につなげることが可能だ。深田氏は「商品のサイズを確認してください」というポップアップや、購入方法についての案内を商品詳細ページに表示することで、購入完了改善率115%を記録したアパレルECサイトの事例を見せた。

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フリクション6:コンバージョンにあたって不安が解消できていない

 購入ページに行くまで会員登録や決済の方法がわからないなど、コンバージョン前にユーザーが抱える不安を解消できていないことが離脱に影響している場合も存在する。FAQページに記載していても、「ページに到達しにくい」「読むのが面倒」といった理由で閲覧されていないことも多い。

 この場合、「何か不安はありませんか」という質問とともにFAQをまとめたポップアップを表示すると効果的だ。なお、購入ページで表示する場合は、「FAQページに遷移させずに、ポップアップ内で表示することが大切」だと深田氏は言う。

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 このポップアップ活用について深田氏は、「A/Bテストで表出させるタイミングや内容の最適化を図る必要がある」と解説。こうしたフリクションの発見と対策を繰り返し行えば、ECサイトで安定した成果を出すことが可能になると言う。

「紹介した対策方法がすべてのECサイトに当てはまるわけではありません。特性によっても変化するため、『フリクションを探す』という視点で自社のECサイトを見直し、それに適した対策を自ら考えることが大切です。これらを徹底すれば、結果として顧客満足度やコンバージョン率の向上につながっていくでしょう」(深田氏)

最適化に必要なのは、ユーザーとの多角的なコミュニケーション

 接客の本質「声かけ」「質問」「案内」を実現するSprocketは、ウェブ接客とコンサルティングでコンバージョンを最適化するサービスを提供している。ここで深田氏は、同社が提供するプラットフォーム「Sprocket」の強みを紹介した。

「Sprocketでは、単発のポップアップだけでなく、動画接客や効果測定など複数の機能を連携し、あらゆる角度からユーザーとのコミュニケーションを実施します。また、外部ツールと連携することで、コンバージョン最適化に必要な機能を包括的に提供しています」(深田氏)

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 「Sprocket」は、来訪したユーザーの行動に即したウェブ接客以外にも、バナー領域を会員の属性や状況に応じて変更するなど、パーソナライゼーションツールとしても活用可能だ。深田氏は「こうした機能をかけ合わせることで相乗的な効果を生み出すことができる」と語る。

「リアル店舗やECサイトでの購入データ、会員の属性情報などをもとに、ユーザーごとにポップアップ表示の内容を変更することが可能です。また、ポップアップが表示された際のユーザーの動きや、チャットでの回答をCRMにも活用できます」(深田氏)

 さらに深田氏は、「連携可能なツールやコンテンツなどを増やすことで、コンバージョンを最適化すると同時に、ユーザーの体験そのものを最適化したい」と続ける。

「たとえばチャットについて、常にECサイト下部に待機しているだけではなく、必要と思われるユーザーには声かけをして誘導したり、ユーザーの行動をチャットのオペレーターに伝えたりすることで、より快適な体験を実現できると考えています」(深田氏)

 セッションの最後に深田氏は、Sprocketの2020年度の実績として導入企業のROI(Return on Investment:投資利益率)目標を871%と設定しているのに対し、1,565%を記録したと成果を強調。「今後もフリクションの発見と、適切な対策方法の提示によって企業を支援していく」と語った上で、このようにセッションを締めくくった。

「フリクションをなくすことは、ウェブ接客の第一歩です。それを行ってこそ、ユーザーと企業の長期的な関係性が生まれます。当社では、さまざまなフリクションの発見とその対策に関してあらゆる方法を提示することができます。ECサイトのフリクションを改善した事例集を期間限定でプレゼントしていますので、ご興味のある方はぜひご連絡ください」(深田氏)

ECサイトのコンバージョン改善に課題を感じている方におすすめ!

ECサイトの平均CVR改善148%の実績のある、Web接客サービス「Sprocket」の資料はサービス案内資料請求ページよりダウンロードいただけます。同資料内には花王グループのエキップ社、全6社の導入事例集もございます。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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