既存接点も侮れない 棚卸しして次の一手を模索しよう
コロナ禍で加速するDX。新しい生活様式の中で需要拡大し業績が好調な企業も、苦戦を強いられる企業も、「現状をより良くするための次の一手としてDXに着目し、具体的な行動に移そうとしている様子が見られる」と山崎さんは言う。
「中でも注目を集めるのは、既存リソース、自社アセットの活用から始めることができるCRMです。これまでは新規顧客の獲得に注力していた企業も、既存顧客の育成に目を向けてマーケティング施策を見直し、当社にご相談をいただく機会も増えました」
しかし、取り組みを始める各社は「まだどのようにデータ活用を行うか、顧客とのタッチポイントをどう再設計するかといった土台固めを行う段階であるケースが多い」と続ける山崎さん。ついLINEやアプリなど新たな接点を生み出すことに目を向けがちだが、まずは既存リソースを棚卸しして、接点としてより良い働きをさせることができないか、発展させる術を模索することも必要となる。
「店舗を展開する場合は、リアルとの接点の活用が不可欠です。すでに多くの会員を獲得している場合は、メールマガジンの訴求力も侮れません。また、CRMを成功に導くには接点を生み出して活用するだけではなく、そこで収集したデータを具体的にどういった施策に落とし込むかまで考える必要があります。データは企業にとって唯一無二の財産です。束ねて満足するのではなく、ビジネスの成長に活かす方法を初期から考えていきましょう」