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サッカークラブトークンに学ぶ、企業とファンの新しい関係とは 鎌倉インテル、フィナンシェインタビュー


 サッカークラブ「鎌倉インテル」が、ブロックチェーンを活用したトークンを発行し、クラウドファンディングに挑戦している。今回の取り組みには、EC・マーケティングのプロフェッショナルとして知られる、株式会社シンクロ/オイシックス・ラ・大地の西井敏恭さんが参画。EC事業者が、これからのファンマーケティングを考える上で重要なヒントがありそうだ。

「鎌倉インテルトークン」で目指す、ファンとの新しい関係とは

 サッカークラブ「鎌倉インターナショナルFC」(通称:鎌倉インテル)が7月より、クラブトークン「鎌倉インテルトークン」を発行・販売している。サッカークラブがブロックチェーン技術を活用し、ファンに向けてトークンを発行する取り組みは、国内外ですでに事例がある。たとえばリオネル・メッシ選手のフランスのサッカークラブ「パリ・サンジェルマン」への加入契約金に、一部トークンが含まれると報道されている。

 鎌倉インテルは、2018年1月に設立。今季は神奈川県社会人サッカーリーグ2部で戦い、近い将来のJリーグ参入を見据えているチームだ。EC・マーケティングのプロフェッショナルとして知られる西井敏恭さんは設立時に出資し、チーフデジタルオフィサーとして経営陣に名を連ねている。今回の「鎌倉インテルトークン」取り組みにももちろん参画しており、「ファンとの新しい関係を築くため」だと西井さんは言う。

鎌倉インテルトークン図解

 鎌倉インテルがクラブトークンを発行するのにプラットフォームとして採用したのが、ブロックチェーンを活用した新世代クラウドファンディング2.0「FiNANCiE(フィナンシェ)」だ。2019年3月にベータ版をローンチ。iPhone/Androidでネイティブアプリを展開しており、プロジェクト実施側とファンはアプリ上でコミュニケーションを行う。

 ECにおいては、D2C・サブスクリプションなど新たな概念が登場し、顧客との新たな関係づくりが求められている。実現できるテクノロジーの土台は整っているのだが、本質的な部分を理解し、また自分たちのビジネスを変革できている企業は少ないのが現状だ。今回編集部では、鎌倉インテルトークンの取り組みを紹介することで、EC事業者と顧客の関係のあるべき姿についてヒントを提示できるのではと考え、取材を実施。鎌倉インテルCDO 西井敏恭さん、フィナンシェ代表 國光宏尚さん、​取締役COO 田中隆一さん話を聞いた。

ギブだけでなく、知名度が低い時期からのファンに報いる仕組み

 鎌倉インテルでは、発行したトークンを「クラブを応援する証」と表現している。保有することでクラブ発の投票企画への参加や、トークン保有者限定の特典への応募ができる。一般的なクラウドファウンディングが、結果的になんらかの商品を購入する仕組みになっているのとはこの点で異なる。FiNANCiEを、新世代クラウドファンディング2.0と表現する理由を、フィナンシェ代表・國光さんはこう語る。

 「スポーツチームやクリエイター、アーティストがファンと直接つながる仕組みは増えていて、たとえばクラウドファウンディング、投げ銭システム、サブスクリプション型サロン等があります。これらも重要なサービスですが、ファンはギブの姿勢で与えるだけであり、参加してもメリットを得にくいのが課題だと思っていました。FiNANCiEでは両者の関係を、ギブ&テイク、Win-Winな関係にしていきたい。それにより、クリエイターエコノミーがさらに発達していくでしょう。そのクリエイターを応援したい人たちが増えてくると、トークンの価値が上がり、初期からトークンを持って応援していたファンのメリットが大きくなる可能性が高まります」

株式会社フィナンシェ 代表取締役CEO Co-Founder ​國光宏尚さん
株式会社フィナンシェ 代表取締役CEO Co-Founder ​國光宏尚さん

 國光さんはFiNANCiEを作る際に、長友佑都選手、本田圭佑選手に相談。すべてのファンに感謝しているが、有名になる前から応援してくれた初期からのファンは、やはり格別である。しかしながら昔からのファンに報いる術がないことを課題に感じていたと言う。発想を変えれば、情熱に頼るだけでなく、トークンのようなメリットのある仕組みによって、初期段階から応援してくれるファンが増えれば、経済的な理由等で夢をあきらめる人が減り、グローバルで活躍するアスリートやクリエイターが増える可能性も高まる。

 「鎌倉インテルはこれから成長していくクラブですから、成長するにつれ、初期からトークンを持ち応援してくださった方々にメリットが生まれる可能性が高くなるわけです。また、これからスタジアムを建設していく段階にあるため、今から参加することで、ともに作っていく醍醐味を味わうことができます」(田中さん)

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