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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

共感を集めるブランド作りを考える

細かな交流と仮説立てが消費者理解を深化させる MOON-Xがシャンプー開発で進める真のニーズ把握

 2019年3月までFacebook Japanの代表取締役を務めた長谷川晋さんが、同年8月に創業したMOON-X株式会社。D2Cブランドとして、“共創”をキーにビールや化粧品などを開発・販売してきた同社がブランド作りに対して抱く想いや、共感を集める事業展開の方法を伝授します。第2回のテーマは、「消費者理解から進める製品開発」について。メンズスキンケアブランド「SKIN X」のブランドディレクター 宮田さんが語ります。

 はじめまして、MOON-Xでメンズスキンケアブランド「SKIN X」のブランドディレクターを務めている宮田達也と申します。

 クラフトビールブランド「CRAFT X」の挑戦を紹介した連載第1回に続き、今回は「SKIN X」が「進化する男性のホリスティックスキンケアブランド」として「お客様と共創するシャンプー」を展開する意図や、具体的にどのような施策・検証を行っているか、今後の展望などをお伝えします(※すべての取り組みの土台にあるMOON-XのVISIONについては、連載第1回の記事をご覧ください)。

ニーズを製品へ反映 「SKIN X」が共創する意図と醍醐味

 MOON-Xはこれまで、10以上のパートナー企業とさまざまな製品を「共創」しています。とくにスキンケアブランドの「SKIN X」と「BITOKA」については、日本コルマーやサティス製薬といった日本を代表するOEM企業と共に製品を開発しています。

 SKIN Xは、2020年3月に男性特有の肌を徹底的に研究して作られた、新しいスキンケアブランドです。「男性のためのスキンケア」をテーマに、製品展開を進めています。

 クラフトビールブランドから始まったMOON-Xが、次のブランドポートフォリオとしてなぜスキンケアブランドを展開したのかと疑問に思う方もいるでしょう。この理由については、当社の代表を務める長谷川がP&G在籍時代にSK-IIを担当した経験が背景にあります。長谷川は「日本の原材料を最大限に活かした、高品質でかつ手の届きやすい価格のスキンケアを作りたい」という強い想いを持っていました。

 クラフトビールもスキンケアも、日本の原材料や高い技術から生まれる商品という意味では共通点があります。とくに肌につける美容製品や口にする食品などは、日本のものづくりが果たす役割も大きく、取り組み自体が意義深いものであると当社は考えています。

 ここで、男性のスキンケアに話を移します。まず前提として、男性の肌は女性に比べて皮脂が約3倍多く、水分量は約3分の1という生理的な違いを持っています。2020年9月に発売を開始した「SKIN X PLATINUM EDITION」はそれらを考慮し、脂性肌用・乾燥肌用のふたつの肌タイプに合わせた洗顔・保湿ローションの展開を行っています。

 これは「自分の肌に合った製品がわからない」「正直スキンケアは面倒だから、シンプルなステップで最大限ケアできるものがほしい」といった消費者の声を受け、共創パートナーと開発したものです。とくに洗顔には、ソニーがリチウムイオンの開発過程でできたバイオマス素材を用いて、マクロ・メソ・マイクロの3種の微小な孔を持つ天然由来の構造体「Triporous(トリポーラス)」を配合。米の籾殻を原料とし、従来廃棄されてきた素材を有効活用することで循環型社会の実現に貢献する素材となっており、皮脂などさまざまな汚れを素早く吸着除去することができます。

 このように、使いながらにして環境にも貢献できる成分を活用した製品開発ができる点や、自社技術を超えた取り組みができる点も共創する醍醐味と言えます。

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この記事の著者

MOON-X株式会社 SKIN X ブランドディレクター 宮田 達也(ミヤタ タツヤ)

横浜市立大学商学部卒業後、株式会社資生堂に入社。セールスやチャネルマーケティングなど営業サポートの活動に従事した後、PMOとして事業戦略立案、大規模な事業経営、新ブランドの立ち上げを経験。アディダスジャパン株式会社に入社し、ランニングシューズやサッカー日本代表ユニフォームなど新商品ローンチプロジェク...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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