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季刊ECzine vol.12定点観測

Cookie規制で広告投資減か 売上への影響も考慮し早めの対策を

 EC事業者がおさえておきたい、13のテクノロジー関連トピックスの「定点観測」。アナグラム田中さんに、運用型広告について聞きました。※本記事は、2020年3月25日刊行の『季刊ECzine vol.12』に掲載したものです。

GoogleもCookie規制 運用型広告への投資が減るか

 ひとつめのトピックは、Googleが1月14日(アメリカ現地時間)に、Chromeでのサードパーティー製Cookieのサポートを段階的に廃止し、2年以内に完全に廃止する計画を発表したことについて。定点観測のコーナーでは、Appleのトラッキングを目的としたCookieの利用に制限をかけるITPを取り上げてきた。運用型広告の視点では、広告の効果測定とリターゲティング広告の配信に影響する。

「Safariに加えて、Chromeでもサードパーティー製Cookieの利用に制限がかかるとなると、これを利用したサービスでは大多数のユーザーの計測が難しくなると言っても過言ではないと思います。広告の効果測定が可能なプラットフォームと、不可能なプラットフォームに二分される。広告効果の計測精度を高く維持できるプラットフォームとしては、GoogleとFacebookくらいしか最終的には残らないのではないでしょうか。また、Googleが乗り出したことで、日本も国としてプライバシーへの配慮の方針が問われるようになるはずです」

 まずは広告効果測定の影響について。田中さんは、運用型広告への投資自体が減っていくのではと懸念する。

「運用型広告は、効果測定が行えるからこそ、コンバージョン単価をおさえたり、購入や申込みなどのアクションにつなげるなどの改善が行えました。それがやりにくくなるということは、運用型広告の最大の特徴が失われるということです。もちろん、効果測定がやりにくくなっても、広告出稿は売上につながるでしょう。ただ、事業者として成果の見えにくいものに、積極的な投資はしづらいのではないでしょうか。事業者として、現状、運用型広告がどれくらい売上に寄与しているか、その効果測定ができなくなった場合、売上への影響も考慮して、運用型広告にどれくらいの投資をするべきか、今から考えておくべきだと思います」

 AppleのITP搭載が発表されてから、いくつかのサードパーティーベンダーが、Cookieに依存しない仕組みを開発してきた。たとえば、広告効果測定ツール「アドエビス」を提供するイルグルムは、2019年9月に「CNAMEトラッキング」という計測方法を発表。広告主ドメインに参加することで、ファーストパーティCookieを用いた計測が行えるというもの。同社は、2020年1月17日にCNAMEトラッキング導入企業が300社を超えたことを発表し、話題になった。

「CNAMEトラッキングが、完全にプライバシーに配慮した仕組みであるかは議論の余地がありますが、Cookieに依存しない仕組みを考えることが重要だと思います。AppleのITPのようなデバイスやOSレベルでの制限はもちろん、日本でも欧州のGDPR(一般データ保護規則)のような法的規制が入る可能性がありますから、抜け道を探そうとするのではなく、Cookieが利用できなくなっていくことを受け入れ、別のやりかたを模索していく必要があるでしょう」

 一方でCookieそのものは、ID・パスワードの保存や、カートに商品を入れたままにできるなど、ユーザーにも利便性を提供してきたのだが、プライバシー保護と天秤にかけることになれば、あきらめざるを得ないようだ。

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