ファンベースの軸に アプリの役割を再確認
4月12日、東京ミッドタウンにて、ヤプリが主催するイベント「MMU(Mobile Marketing Update)」が開催された。今年で3回目となる同イベントでは、「Link All ~人をつなげ、未来を創る~」をテーマに、ファンマーケティングにフォーカスしたトークセッションなどが行われた。イベントには“ファンベース”を提唱している株式会社ツナグの佐藤尚之氏など、そうそうたるメンバーが登壇し、熱い議論が展開された。
「これから日本の人口が減っていく中で、次々に新規顧客を獲得していくようなビジネスをするのは難しいです。それよりも、既存のお客様を大事にして喜んでいただき、クチコミを利用してお客様がお客様を呼ぶような仕組みを作る。LTVを長くすることで、売上を作っていくことが重要になる。そういったメッセージを伝えられるイベントになったと思います」
イベントでは、アプリの最新トレンドについても語られた。既存顧客を大事にする取り組みにおいて、アプリは一体どんな位置づけになるのか。「アプリはファンベースの軸になる」と金子さんは言う。
「ヤプリでは、アプリはファンや濃いユーザーのためのものと考えています。そもそも、その企業やブランドのファンでなければ、アプリはインストールしてもらえません。工夫をこらした施策がきっかけでインストールはしてもらえたとしても、何か気に入らないことが出てきたり扱いにくかったりすればすぐに消されてしまう。使い続けてもらうには、ファンに喜んでもらえる工夫が必要です。イベント終了後に、『ファンベースにアプリって使えるよね』と社内の誰もが感じていました」
前回の定点観測でも紹介した『名古屋ウィメンズマラソン2019』において、ヤプリのユーザー企業であるニューバランスがスポンサーとして協賛。公式アプリ「new balance 公式ストアアプリ-NB Shop」に、新しくリリースしたAR機能が実装された。名古屋ドーム内の展示ブースにはAR機能を体験できるコーナーが設けられ、参加者はスペシャルコンテンツの動画を楽しんだ。
「AR機能の他に、フォトフレーム機能も提供しました。限定フォトフレームで写真が撮れるというもので、ハッシュタグを利用したフォトコンテストを実施して喜ばれました。これがまさにファンベースの考えかたで、いわゆるCXですよね。マラソン大会に参加し、ブースに立ち寄って、アプリを起動したら、動画が見られたり写真が撮れたりする。直接売上につながっているわけではないけれど、こうした顧客体験を通じてお客様とのエンゲージメントを深める取り組みは、後々売上に貢献していくのではないかと思います」