外国人が加わると、世界に負けないダイバーシティな強い組織になる
――外国人採用に関してはさまざまな意見が飛び交っていると思います。外国人雇用の必要性は年々高まっているのでしょうか?
竹内 これは私の考えですけれども、これだけ人口が減っていく中で、今後、日本という国が成り立たなくなっていくことはデータを見れば明らかです。今の生産年齢人口(15歳~64歳)は約7,500万人で、日本の総人口のざっくり半分近くです。この数字が年々減っていきます。そこで活躍し始めるのが、女性、シルバー、AI、ロボット、そして「外国人」です。外国人スタッフは、多数言語が話せる方が非常に多い。また、自国の商習慣や自国のマナーを理解しているので、その国をターゲットとしている企業は有利ですよね。さらに、外国人を採用することでダイバーシティが推進されることは間違いありません。たとえば、日本代表のラグビーチームを見てください。日本人だけで構成されていたら、あそこまで強くならなかったでしょう。さまざまな国の人たちがいることで、組織は強くなっていくのです。やはり、日本の組織が弱くなってきている原因のひとつが、同じような人たちが集まってビジネスしていることでしょう。それでは、世界のダイバーシティが進んでいる組織には勝てません。
――そんな中、竹内さんは「外国人雇用協議会」という団体を立ち上げました。立ち上げた理由やどのような活動をされているか教えてください。
竹内 2016年4月にこの「一般社団法人外国人雇用協議会」は設立されました。今の理事社には、ニトリホールディングス、サマンサタバサジャパンリミテッド、AOKIホールディングス、ネオキャリアなどがあり、大手民間企業様に参加していただいています。また、会員企業様も100社近くになりました。さらに、現・内閣官房参与でもある堺屋太一先生が当協議会の会長なんです。堺屋先生はすばらしいお考えをお餅で、何年も前から、外国人の受け入れを「官民学」でやらなければいけないとおっしゃっていました。そのお考えをきっかけに、真面目で質の高い外国人人材に日本で活躍してもらい、この日本を一緒に担ってもらおうという思いから、作り上げたのが当協議会です。
外国人雇用協議会の目的は3つあります。ひとつは求職者のブラッシュアップ。外国人求職者の日本で働く上で必要な日本の常識と日本式コミュニケーション力を図るテスト「外国人就労適性試験」を実施します。外国人求職者の方たちをレベルアップしていくのが目的です。サイト内にテストのサンプルもありますので、どうぞ閲覧してみてください。このテストは、外国人が自分で申し込みをして受験するのはもちろん、企業内外国人従業員研修ツールとしても使われています。
ふたつめは、企業もレベルアップしましょうという趣旨で、当協議会の勉強会を隔月で実施しています。外国人雇用の先進的企業から話を聞いて、外国人雇用について学んでいこうというものです。3つめは「政策提言」です。入管と仲良くケンカしようと。在留資格を作っただけではダメで、日本語教育、住環境、スキルアップについてもしっかり考えていかなければいけないと思っています。働いてもらうだけはなく、彼らをもっと戦力化していかなければならない。そのための「政策提言」を行っています。この3つを通して、優秀な外国人の方たちが活躍できる社会を作っていきたいと考えています。