メインターゲットを10代から20代へ
迅速なトレンド発信で人気の「デイリーアバウト」
若年層を対象にアパレル販売を行う「デイリーアバウト」は、2007年から自社ECの展開に取り組んでいます。
朴キョンリCEOは、高校時代に自社ECサイトを開業。同年代であった10代へアプローチをし、1ヵ月に数千万円の売上を記録しました。その後2013年までは10代をメインターゲットに、「スクールルック」や「修学旅行コーデ」をテーマにした商品を企画し、リピーター獲得に注力しました。
朴CEOによると、自社ECサイトなどを積極的に活用したことで、10代のファッショントレンドを素早くキャッチできたと言います。また、数年間自社ECで直接顧客とやり取りを行っていたことで、顧客から信頼を得ることもできたようです。
こうしてECのメリットを活かした事業を展開してきた朴CEOは、2014年にメインターゲットを10代から20代へ変更し、EC運営の見直しを行いました。リピーターの年齢が10代から20代に変わったため、新しいスタイルや商品の提案を行う必要があると判断したからです。
ターゲットの年齢は変わったものの、自社EC運営で培ったノウハウを活かし、20代顧客のニーズをふまえた商品を揃えました。その結果、全顧客のうち20代が70%を占めるようになり、同時にウェブで商品に接していた10代後半のユーザーも獲得。顧客層の拡大に成功しました。
国内で成長を遂げたデイリーアバウトは、2016年にグローバルECプラットフォーム「cafe24」を利用し、越境EC向け自社サイトをオープン。海外のユーザーにも積極的にアプローチしています。
韓国語だけでなく、中国語や英語のECサイトも運営していますが、海外からの発注数のうち70%を占めているのが日本のECサイトです。最新トレンドを取り入れたデザインとコスパが魅力の商品を取り揃えただけでなく、日本に馴染みのある決済サービスや配送の仕組みも導入。顧客の利便性向上を目指したサイト構築で、リピーターも増えています。