髙田社長(出版当時、以下これで統一します)は甲高い声でどんどん商品の魅力を説明していましたよね。見ているだけだと「慣れている」の一言で片づけがちですが、本を読んでみるとそうではなくて徹底的に売りかたを追求した結果だということがわかります。
その秘訣が書かれているのが『ジャパネットからなぜ買いたくなるのか?』(荻島央江/日経BP社)です。
目次だけじっくり読んでも気づきだらけの本
各章のタイトルは髙田社長の言葉になっています。いくつかピックアップするとこのようなものです。
実は、わたくしは口ベタなんです。
「うまく話そう」と思っていないので緊張しません。
「売れない理由」より「売れる方法」を探します。
本気でやれば失敗を後悔しません。
誰も最初は素人です。「できない理由」なんて何一つありません。
などなど。いつもは目次を読み飛ばしている人も、この本だけは目次をじっくり読んでみてください。そして、どんなことが書かれているのか? 自分はできているのか? どうすればこういった考えになるのか? といったことを考えてみてください。
ありがたそうな言葉って、偉そうな文章が堅苦しく書いてあってどこか違う世界の話のように感じますが、この本ではそんなことはありません。髙田社長はこれらのことを本当に純粋に素直に実行されていて、自然に話をされています。読んでみると、まるで子どもが楽しそうに話しているかのように感じますし、この人は本当に商品の良さを伝るのが好きで、それを買って喜んでいる人を見るのが好きなんだな~と感じます。
とにかく、素直に書かれていることに従ってみようと思えるんですよね。
「上手に」ではなく、「わかりやすく」伝える。次に面白く。
プレゼンであったり何らかの発表のように、誰かになにかを伝える時ってどうしても「上手に」やろうとしてしまいます。商品ページであったりブログでも同じです。恥ずかしい思いをしたくない、失敗したくない、クレームを受けたくないというネガティブな気持ちがあるのはわかりますが、聞く(見る)側とすればちょっとぐらい失敗したって、何が言いたいのかが伝わるほうが良いですね。
髙田社長がICレコーダーを紹介する場合はこんな感じです。
「私はベッドの横にこれを置いて、アイデアを思いついたときにすぐに録音するようにしています。アイデアって寝る時によく思い浮かびますよね」といった使い方の提案をしたこともあります。
お客様は機能や使い方ではなく、「その商品を買ったら、自分の生活がどのように豊かになるのか」に興味があると思うのです。
どのようにお客様の生活が豊かになるのか?を頭で考えて説明するのではなくて、自分で使ってみて自分に役立ったことをそのまま素直に伝えるから伝わるということです。
ネットショップ担当者の皆さんは商品登録に追われて、実際の商品を使うことも少ないと思いますし、登録してすぐに売れる場合もあるので時間がもったいないかもしれませんが、こう考えている限り何もできません。商品を使ってみろと言っているのではなくて、お客様の立場に立って考えてみるということです。
この商品を使う時はどんなときなのか? どう使うと生活が豊か(便利、楽しいなど)になるのか?使ってみて困るのはどこなのか? などを考えて、商品ページ、一覧ページ、特集ページ、ブログ、メルマガなどに反映させていくことが大切です。具体的な例を紹介します。