ユーザーからの客観的な情報「レビュー」も加えさらなるCROへ
商品検索と「補完しあう関係」にあると考え、ZETA社が力を入れているのが「レビュー」だ。
「日本でもAmazonの脅威が言われて久しいですが、米国はECシェア4割をAmazonが占め、寡占状態にあると言えます。米Amazonの強さの秘訣が、商品レビューの多さです。何か買おうと思ったら、GoogleでなくAmazonで検索し、その商品について書かれているレビューを読んで判断するという消費行動になっている。日本ではレビューというと、ネガティブなコメントが書かれる印象のほうが強いのか、とくに独自サイトではそれほど力が入っていません。しかし、米Amazonに倣い、Amazon.co.jpも力を入れてくるでしょうから、2年ほどで日本のレビューの存在感も変わるのではないでしょうか」
消費者がレビューを求める背景には、インターネットの特徴のひとつであるインタラクティブ性の浸透にあると山崎さんは言う。スマートフォンの普及、SNSの利用が進むに連れ、企業が一方的に発信する、企業側にとって都合が良い情報だけでは、消費者が納得しなくなっているのだ。
「日本では、Amazonの配送スピードに衝撃を受け、楽天市場に出店している店舗、独自サイトに注力している事業者ともに、配送のクオリティを上げてきました。一方で、物流問題が社会問題化したこともあり、消費者がそれほどスピードを求めなくなってきている。結果的に、日本のECはAmazonの寡占状態にはならず、個々の事業者も戦える余地があるのではないかと考えています。
しかしながら、いったんは消費者がAmazonの配送スピードを求めたように、Amazonの豊富なレビューが便利となれば、他のサイトにも求める可能性がある。自分が消費者の立場に立ったとき、『レビューが0件の商品はちょっと不安だな』と感じませんか? となると、レビューはすでにコンバージョンに影響しているわけです。CROの視点からも、今後数年で、レビューの重要性はさらに増していくと考えられます」
そうした状況が到来してから、あわてて消費者のレビューを無理矢理集めるような行動に出ても、消費者が見破ってしまう。今から地道に、厳しい評価も含めて集めていく覚悟が必要だ。
「事業者側は、クチコミを書くことに対するインセンティブをどう与えていくかに知恵を絞るべきだと思います。たとえば『クチコミを書いていただいたら、次回のご来店時に◯%オフのサービスをします』というお店があったら、悪いことを書こうとする人ってあまりいないと思いませんか? 自分が、今後も買い物を続けたいと、ファンになっているお店なら、なおさらですよね。消費者のメリットに貢献するという姿勢が重要だと考えています」
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