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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

[季刊ECzine]ECスタープレーヤーインタビュー

「欲しいと思わせる場所」として 自社ECサイトの可能性はある


 大学卒業後にBtoBソリューションベンダーの立ち上げを経験し、その後、BtoCファッションECのマーケティング責任者、製菓材料EC企業の代表という異色の経歴を持つ石川さん。現在はディノス・セシールのCECOを務めています。EC業界に入るきっかけからECが抱える課題、目指すべき未来について聞きました。

IT経験ゼロから ネットをツールとして使う会社に

――石川さんは2016年2月からCECO(Chief e-Commerce Officer)を務めていらっしゃいますが、EC業界に入ったきっかけを教えてください。

石川 大学時代は法曹の道を志していましたが、新司法試験が始まって、あと2年大学院に通わなくてはならなくなり、いったん就職をして、ビジネスが向いてなければまた大学に戻ろうと思い就職活動を始め、戦略コンサルタントや広告代理店をいくつか受けました。最終的にはネット金融のSBIにお世話になると決めました。

――戦略コンサルタントでも広告代理店でもなかったのはなぜですか?

石川 トップの北尾吉孝さんが「ホワイトナイト」として話題を集め、堀江貴文さんとバチバチやりあっていた時期でした。北尾さん自身はネットの人ではなく、金融の人でしたが、ある講演で「ツールとしてのネット」の可能性について話をされていたのです。「ネットをツールとして使う企業に行きたい」と考えたときに「SBIの立ち位置がまさにそれ」と感じました。

ただ当時、金融にはまったく興味がありませんでした。配属の希望を出すときに、金融に興味がないことをアピールしたせいか、SBIベリトランス(当時)に入れてもらいました。

ディノス・セシールのCECO(Chief e-Commerce Officer) 石川森生さん
ディノス・セシールのCECO(Chief e-Commerce Officer) 石川森生さん

本格稼働からわずか半年で 単月黒字に!

――仕事としてECを意識したのは入社してからですか?

石川 はい。ベリトランスのビジネスモデルは手数料ビジネスで、マーチャントに決済のシステムを導入してもらえると比例的に自社の売上も上がる仕組み。当時、EC業界の売上が年15%くらい伸びている時期でしたから、そのくらい急カーブで自社も成長するのは見えていました。だから、ECの業界であれば十分食べていけるなと思いました。

――SBIベリトランスではどのようなお仕事をされていたのですか。

石川 新規事業系の部署に配属になりました。当時すでに決済サービスは技術的には差別化しづらい状況で、最終的には手数料のたたき合いになっていました。そこでマーチャントの売上を上げるソリューションをセットで提案する事業を本格的に開始しました。売上が上がればマーチャントは喜ぶし、不毛な価格競争からも逃れられ、会社の収益にも直結すると考えたからです。

2008年は「ウェブ2.0」とさかんに言われていたころ。その申し子がAmazonのロングテール理論で、それを実現しているのがレコメンドエンジンであると言われていました。当時は独自のレコメンドエンジンが搭載されているサイトはほとんどありませんでした。あったとしても担当者がAとBとCとDを紐づけていくような時代でした。簡単にレコメンドエンジンが導入できて、自社でAmazonのようなレコメンドができれば、自社でもロングテールが実現できる─それで、レコメンドのASPサービスを販売し始めました。

――当時の決済会社の事業としては斬新ですね。

石川 そうですね。KBMJ(現・Appirits)からエンジンの提供を受け、決済営業に同行しながら入れていきました。タイミングにも恵まれ、本格稼働から半年くらいで単月黒字になりました。

新卒の年の最後くらいには新会社立ち上げの話が出て、SBIベリトランスから出資してもらって、KBMJの事業を事業部ごと譲り受ける形で、ECの売上を上げることをミッションにした会社を立ち上げました。それがSBIナビ、現在のナビプラスです。

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この記事の著者

元永 知宏(モトナガ トモヒロ)

1968年、愛媛県生まれ。立教大学野球部4年時に、23年ぶりの東京六大学リーグ優勝を経験。ぴあ、KADOKAWAなど出版社勤務を経て、フリーランスに。『本田宗一郎 夢語録』、『羽生結弦語録』(ぴあ)などを編集。2016年10月に『期待はずれのドラフト1位』(岩波ジュニア新書)を上梓した。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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