カグア!の吉田さんはGoogle アナリティクスの専門家で、幅広い業種の企業をサポートされています。最近は、アフィリエイトにも詳しい吉田さんに、データの活用法と中小ECサイトの今後についてお聞きしました。
GoogleタグマネージャーでA/Bテストをしている!
森野 吉田さんって、タグの設置はGoogleタグマネージャー(以下、GTM)ですか?
吉田 直接設置するのは、こわくてできないです。その後、リプレースになった場合の作業も面倒になりますからね。コードを残したまま、リプレースしてしまったらさらに面倒です。だから、GTMを基本にGoogle アナリティクス(以下、GA)や他の計測ツールを設置しましょうという感じが多いです。データを取って解析しても、お客さんがどこまで予算やリソース割けるのか、そこの温度感が見えない限り、こちらがいくら仕込んでも仕方がないので。
森野 なるほど、無駄にデータを取ることはしないわけですね。確かにこのデータを取るとコンバージョン上がるって提案もしないですしね。上がらないから(笑)
吉田 コンバージョンを上げる施策は実験的にやっています。アナリストが、こっそりコンバージョンを上げるのも実はありなんですよね。GTMでデザインを変えられるでしょう。だから、これって絶対コンバージョン上がるだろうなと思ったら、下にあったボタンをこっそり上に持っていったとか。
森野 あー、なるほど!GTMでデザインを変えるのか!
吉田 答えを知ったうえで提案したら、まず通りますよね。コンバージョンが上がりますよと確約はできないけれど、GTMでデザインをこっそり変えてテストができるから、結果と提案を一緒に出せる。反則かもしれないけれど、制作をすっ飛ばしてテストができるんですよね。
森野 うちらのようなアナリストにとっては革命ですね~。
吉田 GTMでデザインを変えるのは、あくまで自分が実験的にやっているサイトだけですけどね。難しいのは、デザインの領域に踏み込んじゃダメだろうと言われていること。でもGAとGTMは、Optimizelyなどのテストツールと一緒なんですよ。今は、HTMLのAPIが拡張され、”クエリセレクタ”でいろいろできるようになって便利です。
森野 これまでアナリストがデザインの改善案を思いついても、制作の人に頼まないといけなかった。それがGTMでできるとなれば、幅が広がった気がします。