オタクモード、「独身の日」に向けた準備と成果
「独身の日」については、日本で話題になったのは、2014年くらいからでしょうか。そのため、いざ出店して売るとなると、何をどう準備したらいいかわからない方も多いと思います。Tokyo Otaku Mode(以下、TOM)では、2015年5月18日に天猫国際に出店し、「独身の日」に向けて、オペレーションなど準備を進めていきました。
そもそも、天猫国際に出店したのは、TOMの強みである1,800万Like!をいただいているFacebookがリーチしていないからです。これまで、Facebookページを集客のフックにして、自社EC戦略をとってきましたが、中国ではそれができない。だからといって、確実にECが伸びるであろう中国市場を、指をくわえて横目で見ているわけにはいかない。そこで、アリババさん、京東さんをはじめ、いろいろと勉強させていただいて、交渉の末、天猫国際に出店することができました。
今や、国際天猫への出店基準はすごく厳しいみたいですね。TOMのような、まだまだ発展途上の企業に出店許可が出ることはめずらしいようなんですが、TOMが扱っているぬいぐるみやエンタメ関連のカテゴリの競合が少なかったことが大きいようです。
とはいえ、Facebookがリーチしていないため、日本のオタク文化に詳しい中国のお客様が、何を求めていらっしゃるか、つまり何が売れるかはわからないままの出店でした。実際に出てみると、オタク系のフィギュアよりも、かわいい系のぬいぐるみのほうが出ることがわかりました。お客様は6~7割が女性です。それなら、「独身の日」もここに特化してやっていこうということで、夏からぬいぐるみメーカーさんと交渉して、9月、10月と在庫を積んでいきました。
「独身の日」の成果としては、デイリーの50倍、つまり約2ヶ月分の売上を1日で上げることができました。
オタクモード、「独身の日」に向けた準備と成果
いちばん違うのは、カスタマーサポートです。Aliwangwang(アリワンワン)というメッセンジャーツールからメッセージが飛んできて、「この商品、素材はどうなっているの?」といったお問い合わせが、注文前に来ます。日本の国内のECだと、「まだ届きません」「壊れていたので返品したいです」といった、注文後のお問い合わせが多いと思いますが、中国の場合は、注文前なんですね。
だから、「独身の日」の予約が始まれば、この種のお問い合わせがかなり増えるだろうと考え、在庫を積む商品について、お問い合わせをいただきそうな内容について詳しく調べ、準備しておきました。
それから物流ですね。たとえばドラッグストアで販売しているような消費財の場合、1SKUがかなりはけるので、上海の保税区の倉庫にどかんと置いておくといったことが可能です。TOMの場合は、SKUが多いためその形ではなく、日本からEMSで発送しました。スポットで借りられる倉庫を借りて、在庫を積んでおき、オペレーション上問題になりそうな部分について、あらかじめ準備しておきました。
たとえばシステム面では、天猫国際で注文を受けた受注データを、WMSにつなぎこむための開発をしています。また、天猫国際では注文を受けてから72時間以内に出荷し、その旨連絡をしないと店舗の評価が下がっていきますので、それに対応できるような仕組みを整えました。
スタッフは、「独身の日」とその注文がはけるまで、1週間くらい期間限定で増やしました。その期間は、TOMの社員も倉庫に泊まり込みに行っていました。
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