Tokyo Otaku Modeに聞く、越境EC 物流のポイント
「越境ECって、難しそうですね」とよく言われますが、その理由のひとつに、海外物流の得体がしれないから、というのがあるのではないでしょうか。実は、越境ECの物流にそれほど難しいことはないと思っていて、今回のコラムでその意識を少しでも変えられたら、と考えています。
そもそも、中小のEC事業者の方のなかには、日本のECにおける物流についても、「難しい」「ソリューションがわからない」とおっしゃる方たちも多いです。そこに「海外」が入ってくるわけですから、さらにハードルが上がってしまうのでしょう。でも、受注を受けて、集荷、ピッキング、パッキングするという大枠のフローが変わるわけではありません。
越境ECのソリューションは「EMS」
まず、越境EC物流のソリューションですが、ほとんどの場合、日本郵政さんの「EMS」が利用されています。そして、EMSをを利用する際に必要な情報は、すべて日本郵政さんから提供されているので、それに沿ってやっていけばいいだけです。
おそらくお客様から「送料が高い」という声が寄せられると思いますので、配送できる商品が限られるのですが、「SAL便」「SPR(小型包装物)便」といった別のサービスをうまく取り入れていくといいでしょう。
日本郵政のサービス
梱包については、極端に言うと「箱をばんと投げて、壊れたら段ボールが悪い」くらいの扱いをする国もありますし、日本よりはるかに長い陸路を越えて配送されるため、到着したら段ボールがボコボコだった、ということは起きています。ですから梱包資材は、日本で考えるよりも強度が高いものを選ぶべきでしょう。
海外からのお問い合わせも、日本とほぼ変わらない
気になるのは、カスタマーサポートでしょうか。海外の方からどんな問い合わせが来るか、どういったトラブルが起きるのか、返品率はどれくらいか、といったことが見えないと、基本的な対応ルールも決められないですよね。
Tokyo Otaku Modeでの経験から申し上げると、海外のお客様からいただくお問い合わせの内容も、日本とそれほど変わらないです。「今、荷物はどこにありますか?」「この商品の在庫はありますか?」といった、ECではよくある問い合わせです。それに真摯に対応して、お客様の声をサービスに反映していくのが、ノウハウといえばノウハウでしょう。
ちなみに、発送したにもかかわらず「商品が届きません」という場合、海外で商品がロストした可能性が高いのですが、当社の場合は、代替品を発送したり、返金に応じたりしています(最近は、そういったトラブルも減ってきていますが)。
ECサイト上で、決済方法やカスタマーサポートポリシーを明示化するのもいいでしょう。「問い合わせ対応もコスト」という考えかたで、とにかくFAQで対応する日本のサイトもありますが、「解決しましたか?」「してません」ということ、よくありますよね。
対応できる体制を整えるのも大変かと思いますが、海外のサイトから購入するのは、国内よりさらに不安ですから、「何かあったら対応します」という安心感を、サイト上で示すのは効果的だと思います。ちなみに、当社のカスタマーサポートは現在4名体制ですが、全員ネイティブのメンバーを揃えています。
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