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川連一豊のつれづれEC日記

2016年、中小のEC事業者がAmazonを横目に打つべき施策とは JECCICAの川連さんインタビュー


2015年のEC業界を、5つのキーワードから分析してバズらせてくれた川連さん。2016年はどうなるのでしょうか。インタビューしてきました。

2016年のEC業界を大胆予想 JECCICAの川連さんに聞く

 新年、あけましておめでとうございます。ECzine編集長のワダです。昨年の今ごろ、JECCICAの川連さんに、2015年のEC業界を5つのキーワードから予想してもらいました。

  1. 無料モデル
  2. 大企業の本格参入
  3. オムニチャネル
  4. 越境EC
  5. スマホeコマース
●記事はこちら
EC業界どうなる? 2015年注目の5つのキーワードと、5年先までに起きる3つの変化

 「1.無料モデル」はそれほど話題にならず、逆に言うと「あるべきポジションにおさまった」というところでしょうか。BASEさんが決済に参入されるということで、今後の展開が楽しみです。

 「2.大企業の本格参入」「3.オムニチャネル」は、ひとくくりにしていいと思いますが、私が2015年にお会いした、EC・オムニチャネルを統括されている方々は、皆さんキレッキレでした。取材に行く方たちなんで、当たり前といえば当たり前なんですが、「頼もしい!」と感じました。お、お、オムニセブンも、オープンしましたしね!

 「4.越境EC」では、川連さんは「海外から日本に来る、売り手のライバルが増える」という警鐘を鳴らされていましたが、日本のECはそこまで目が行かず、やはり「爆買い」でした。中国の「天猫国際」がほかを寄せ付けない印象です。

 「5.スマホeコマース」は、スマホ比率が7、8割という調査結果もたくさん出てきました。個人的には一周して、2015年はPCからの購入のほうが多かった気がしますが、それってもう、一般ユーザーじゃないことを肝に銘じなくては、と思いました。

 さて、2016年はどうなるのでしょうか。川連さんへのインタビューをお届けします。

――ECzineは、いちおうビジネスとしてECをやっていこうという方たち向けなので、0円カートの話はもういいかなと。まず、Yahoo!ショッピングの話から聞いていこうと思います。

 「実際には諸費用がかかるので、0円でECができるわけではないのですが、予算的に楽天市場やAmazonだとペイできないという事業者さんが、Yahoo!ショッピングに出店される傾向にあるようです。Amazonで自動販売機的に安いものを売って、Yahoo!ショッピングでは高めの商品を、しっかり接客して売るという、使い分けをしているショップさんもあります。

 2016年、Yahoo!ショッピングは伸びていくでしょう。ユーザーも事業者も、ようやく使い慣れてきましたから。Yahoo!ショッピングのこれまでの課題は、ポータル等から送客して1回目は購入してもらえても、2回目以降にユーザーのスキルが上がっているので、他のモールと比較されて買ってもらえない、ということが起きていたんです。それが、ヤフーや店舗さん側の努力で、リピートにつながっている印象があります」

――おお!Yahoo!ショッピングがついに! Amazonはいかがですか?

 「2016年は、もっとAmazonに流れるでしょうね。なぜかと言うと、店舗さんにとって、あんなに便利なものはないですから。『売れ筋の商品は載せないように、デッドストックになっている商品を、ロングテール狙いで売りましょう』というアドバイスをしているのですが、Amazonに掲載した途端、ほぼ自動的に売れ出すんです。Amazonのレギュレーションに従うだけで、接客せずとも売れていく。本当にすごいです」

――小売事業者さんにとって、Amazonはプラットフォームではなく、実は競合ですよね?

 「本当はそうなんですが、流通チャネルのひとつとして、出さざるを得ないのが現状です。Amazonに出品すると、すぐに売上が上がるのでしばらくはいいと思います。でも、何も対策しなければ、小売業者さんはゆっくりと食われていくでしょうね」

――楽天市場はどうでしょう。流通総額が2兆円を超えました。

 「次に目指すのは3兆円でしょうね。流通総額には楽天トラベルも含んでいますから、そちらが伸びていってもいいわけです。何より、金融ビジネスが非常に好調のようですから、企業としては成長していくでしょう。

 楽天市場の店長さんたちに話を聞くと、『うちはずっと楽天でやっていく』という方も、けっこういらっしゃいます。なぜかと言うと、Yahoo!ショッピングよりも売れるし、Amazonよりもやりがいがあるから。楽天で商品ページやメルマガを工夫すると、それが売上に反映されます。これが、Yahoo!ショッピングや自社ECだとそこまで効果が出ませんし、Amazonはそういった工夫ができませんから。小売業者さんにとって楽天市場は、接客のやりがいを感じられる場なんです」

――店舗数は4万台で横ばいの印象です。

 「レビューはじめ、規制が厳しくなってきています。それでも残ってくれる、やる気のある優良店舗さんと一緒にやっていくつもりなのでしょう。システムへの負荷もありますし、店舗数はそれほど積極的には伸ばしていかないのではないでしょうか」

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この記事の著者

ワダ スミエ(ワダ スミエ)

2013年11月11日〜2023年3月31日までECzine編集部在籍。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/2553 2016/01/22 17:41

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