何も手を打たないと、あなたのお店はあと2年の寿命かも
――オムニチャネルは、だいぶ落ち着きましたね。
「大手事業者さんたちは、ちゃんと自分たちの戦略を考えて、実行されていますよね。早いところはオムニチャネルの土台が整ったようですから、4月以降にどんな施策を打たれるのか、とても楽しみです」
――スマホECも当たり前なので、注目のテクノロジーについてお聞きしたいと思います。
「Instagramはじめ、ソーシャルメディアはやらざるを得ないでしょう。タレントさんでもない一般の20代女性に、5,000人のフォロワーがつく時代ですし、Googleで検索せず、Instagramで検索する方も多いようです。まだやっていないなら、とにかく個人のアカウントだけでも作ったほうがいいと思います。
IoTはじめ、今後何が出てくるか予想もつきませんが、AmazonのDash Buttonを見ていても、オムツのような生活必需品は、テクノロジーを活用してとにかく便利に、安く届くところから購入されるようになると思います。
一方で、1時間配送などAmazonがAmazonのやりかたで取り組めば取り組むほど、彼らができないことも見えてきます。中小の場合は、『Amazonができないことをやる』に尽きると思います。いちばん小回りが効くのは強みですから」
――Amazonができないことを、もうちょっと具体的にお願いします。
「それが難しいのですが、たとえばユーザーがこだわりを持つジュエリーのような高級商材を、傷ひとつなく、おもてなしのサービスも含めてお届けするとかですよね。
ショッピングモールに出ていて、小売だけやっている店舗さんは、何もしないとあと2年くらいの寿命が来てしまうと思います。対策は、それぞれの店舗ごと異なるとしか言えないのですが、皆さん意外と、のんびりなんですよね(笑)。今日、ちょっと売れたから飲みに行こう、みたいな。『助けて』と言われてももう間に合わないとなる前に、早めに動き出していただければと思います。
多くの小売事業者さんへの共通解としては、よく言われていることですが、商品と商品を組み合わせてでもいいので、オリジナル商品を作ること。それから、発想をふくらませること。何かアイディアを出すと、『うちの規模ではとても無理』なんてすぐにおっしゃって、結局リスクの少ない、ほかの店舗さんと同じような手を打って、差別化にならないといったことがよくあります。
加えて、増税に向けた商品の値上げが必要です。今うまくいっている店舗さんは、8%になるタイミングでうまく値上げをして、受注件数は減ったけれど利益は増えています。2016年、時代の変化を読み取って、工夫を重ねていくことがすべてのEC事業者さんに必要なことだと思います」
――川連さんのアドバイスにより、2016年も、ECzineの読者さんが儲かるといいなと思います。ありがとうございました!
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