コミュニケーションの全体像がひとめでわかる!CRMマップ
前回、「ステップメールを制作する前に、CRMマップを作っておくとよい」という話をした。
「CRMマップ」とは、Aというステージにいるお客様を、Bというステージに引き上げるためのコミュニケーションの全体像を1枚にまとめたものである。
例として、「肌のクスミと乾燥をケアするオールインワンジェル」の「新規購入者(お試し商品を購入)」を「定期購入会員」に引き上げる場合について、考えてみよう。
その際の「CRMマップ」の構成要素は、主に以下のとおりである。
以下、各項目の説明である。
1.時間軸
注文日、または商品発送日、または商品到着日を起点(0日目)として、経過日数を記載する(お客様の期待値は注文日がMAXで、その後どんどん下がっていくので、注文日を起点とすることをオススメする)。
連載第2回でも書いたように、引き上げ施策には、「お試し商品購入から〇〇日以内に定期会員に申し込むと、〇〇プレゼント」のような「期限つきオファー」を設定することが多い。
時間軸には、この「〇〇日以内に」の日数+α日を記載する。
2.想定インサイト
経過日数に従って、お客様の心理がどのように変化していくのか?という仮説を記載する。
例)経過日数 0日目(=注文日)
- 新しいスキンケアへの期待 「今度こそ自分に合うといいなあ」
- 初めてのブランドへの不安 「勢いで買っちゃったけど、また失敗かも」
3.肌変化
経過日数に従って、お客様の肌がどのように変化していくのか?という仮説を記載する。
例)経過日数 7日目(=使用開始後 3日程度)
- Aさん「肌が明るくなってきたかも?」「肌がしっとりしてきたかも?」
- Bさん「全然変化が実感できない」「かえってカサカサしてきたかも」
4.施策の狙い
経過日数に添って、どのようなアプローチをすることで、お客様のインサイトをどのように変化させていきたいかを記載する。
例)経過日数 0日目(=注文日)
「勢いで買っちゃったけど、また失敗かも」と不安を感じているお客様に、
↓
商品に対する共感や理解が深まるようなアプローチをすることで、
↓
不安を払しょくし、試用の意欲を高めていただく。
5.メールによるアプローチ
ステップメールでどのような情報を伝えることによって「施策の狙い」を実現していくのかを記載する。
例)経過日数 0日目(=注文日)
「勢いで買っちゃったけど、また失敗かも」と不安を感じているお客様に、
↓
商品開発者からのメッセージをメールで紹介することで、
↓
不安を払しょくし、試用の意欲を高めていただく。
6.紙媒体によるアプローチ
同梱物やハガキなどの紙媒体でどのような情報を伝えることによって、「施策の狙い」を実現していくのかを記載する。
例)経過日数 4日目(=到着日)
「勢いで買っちゃったけど、また失敗かも」と不安を感じているお客様に、
↓
商品の特徴的な成分とその働きを、同梱物で紹介することで、
↓
不安を払しょくし、試用の意欲を高めていただく。
7.目標引き上げ率
経過日数に従って、いつ・何%程度のお客様を定期会員に引き上げたいかという目標値を記載する。
お試し商品購入直後に、定期会員に申し込むお客様はほとんどいないので、通常はお試し商品の使い終わり時期から、目標数値を入れていく。
「CRMマップ」を作ることで、ステップメールの目的と役割が明確になり、この後の工程での「ブレ」や「手戻り」を防ぐことができる。