ミルボン、ロート製薬、Haleonジャパンは、東陽倉庫の協力のもと、持続可能なサプライチェーン構築を目的とした共同配送を開始した。

従来、各社は物流業界が直面する慢性的な人手不足やドライバーの長時間労働に対応し、安定的な製品供給を目指すため、効率的な輸送に努めてきたが、パレットや製品規格の制約から積載余剰空間や過剰供給リスクが発生し、単独での効率改善の限界に直面していた。
具体的には、ミルボンは三重県伊賀市から埼玉県加須市、ロート製薬は三重県伊賀市から神奈川県相模原市、Haleonジャパンは神奈川県相模原市から埼玉県加須市への製品輸送において、こうした課題を抱えていたという。
これらに対応するため、配送ルートに共通性のある3社でパレットサイズや輸送量、製品の安全性などの条件を調整し、共同配送に適した製品を選定。積載技術の検証や品質テストなどを経て、製造拠点と倉庫間のリレー方式による共通輸送網を整備し、製品を混載して輸送する新しいスキームの採用と運用を開始している。

なお、このスキームを週1回実施したところ、積載率は13.7%向上し、トラック運行数に換算すると年間102台分(約67.1%)、38.6%の総合輸送距離削減、32.8%のCO2排出量削減ができることがわかったという。物流効率化によって18.4%のコスト削減、1運行単価を19.2%改善したほか、ドライバーの雇用環境改善、会社間での相互サポート体制構築も実現している。
3社は今後、現在月1便で実施している共同配送を週1便の定期運用へ拡大し、さらなる安定化を図る方針。物流DXによるタイムスケジュール自動化や省人化推進、協力企業のさらなる増加を目指し、上流の調達物流や下流の販売物流へも適用範囲を広げ、サプライチェーン全体の持続可能性向上を目指すとしている。