いつ来ても違うECに見える工夫を細かく実施
━━リニューアル後、MD(マーチャンダイジング)で新しく取り組まれたことはありますか。
真嶋 興行と連動した「即席グッズ」の展開は、我々ならではの取り組みです。例えば、クラブマスコット「ヴィヴィくん」の誕生日企画をグッズ主体で実施し、ヴィヴィくん本人がインスタライブを行ってグッズを紹介したところ、非常に大きな反響がありました。
原 「VICTORY ヴィヴィくん」という企画は、まさにファナティクスさんだからこそ実現できたものです。試合に勝った直後の「活躍した選手のグッズが欲しい」「何か記念に買いたい」というお客様の熱い気持ちを逃さないよう、勝利時限定のキーホルダーを販売しています。これは以前の体制ではスピーディーに出せなかった商品ですね。
━━ECサイト上の体験価値(UX)という面ではいかがでしょう。
石川 ECでの購買体験向上として、開幕前のユニフォームお届け時に「専用の化粧箱」を用意しました。箱を開けるとヴィヴィくんからのメッセージが入っているなど、シーズン開幕に向けてファンのワクワク感を高める演出に注力しました。
また、ECサイトは「いつ来ても違うサイト」に見えるよう、日々特集を組んだり、新しい商品を投入したりして、ファンを飽きさせない更新頻度を保っています。
花城 ユニークな施策としては、5月のヴィヴィくん誕生祭の際に、ECサイト内で「ヴィヴィくんを探せ」というキャンペーンを実施しました。サイト内の様々な場所に隠れたヴィヴィくんのイラストを探して応募するとぬいぐるみが当たるという企画なのですが、通常時と比べて流入数が非常に多く、参加率も他球団の事例と比較して高い数値を記録しました。
原 これまでのECサイトは「通販サイト」の枠を出ていなかったのですが、こうしたキャンペーンができるようになり、よりスポーツエンターテインメントに特化したサイトになったと感じています。
昨対売上216%・EC単体で昨対売上185%を実現
━━リニューアル後の具体的な成果や、お客様からの反応について教えてください。
阿部 お客様アンケートを実施したところ、「とにかく発送が早い」というポジティブな声を多数いただきました。我々はEC専用の倉庫を構えており、在庫がある商品は15時までの注文で即日発送を行っています。以前よりも安定した配送スピードを提供できていると自負しています。
━━売上の数値面ではいかがでしょうか。
石川 今年はまさに「爆増」しています。全体で昨対売上216%・EC単体で昨対売上185%という結果がでています。これは弊社の他のパートナー様と比較しても驚異的な成長率です。
━━それは凄まじいですね。特に何が牽引したのでしょうか。
原 最大の要因はユニフォームです。クラブとしてずっと「販売数1万枚」をマイルストーンに置いてきましたが、これまでは良くても6,000~7,000枚が限界でした。それが今回、1万枚を大幅に超えた実績を出すことができました。
要因は2つあります。1つは、ジャパネットのクリエイティブチームがスタジアムで選手を撮影し、ファナティクスさんのECサイト上で魅力的に見せる動線を作れたこと。
そしてもう1つは、ファナティクスさんがサプライヤーになったことで実現した「商品の一本化」です。
真嶋 昨年までは「選手仕様のオーセンティック(約2万6,000円)」と「レプリカ」の2種類がありましたが、今年はこれを1種類に絞りました。選手と全く同じ仕様のユニフォームを、ファンの方も1万4,800円で購入できるようにしたのです。
原 ヨーロッパのチームのように「サポーターも選手と同じものを着て応援する」という世界観を作りたかったんです。ただ、同仕様で作るとどうしてもコストが上がる。そこをファナティクスさんに相談し、生産リードタイムの短縮やロット調整を行うことで、価格を抑えつつ一本化を実現できました。これが1万枚突破の大きな原動力になったと思います。
