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2030年、中国・米国向け越境EC市場規模は7.62兆円に?
海外の調査会社Facts and Factorsによれば、全世界の越境EC市場規模は、2021年時点で0.79兆USドル、日本円で約115兆円(145円/USドルで計算)と推計されています。またその値は、2030年には7.94兆USドル、日本円で1,151兆円にまで拡大すると予測されています。
この予測が正しければ、2021年から2030年までの9年で、全世界の越境EC市場規模はなんと10倍に拡大することになります。同社の予測値はやや大きめではないかとも思う一方で、仮に拡大幅がその半分だとしても5倍です。いずれにせよ、全世界の越境EC市場規模が当面の間力強く成長することは間違いないでしょう。
なお、2021年から2030年までの年平均成長率を計算すると29.3%です。これをもとに2024年時点の数値を計算すると、約1.70兆USドル。ただし、TemuやSHEINといった中国越境EC勢の近年の躍進などを考えると、それよりもやや大きく、2024年時点で2.00兆USドル、日本円で290兆円に達するのではと私は考えています。
2023年の日本国内の物販系BtoC-EC市場規模は、14兆6,760億円です。全世界の越境EC市場規模はその20倍に相当します。つまり、とてつもない巨大な市場が既に形成されているということです。

では、日本製品に関する越境EC市場規模の将来を予測してみましょう。2023年時点における中国・米国の消費者向け越境EC市場規模を合算すると、3.91兆円となります。2018年は2.36兆円だったので、5年間の年平均成長率は10.6%です。2030年までの年平均成長率を、それまでと同等水準の10%と仮置きして計算してみます。そうすると、2030年の日本製品の越境EC市場規模は7.62兆円と予測できます。

2030年の7.62兆円という予測値は、あくまでも2018年から2023年までの年平均成長率と同等の水準で今後推移すると仮定したものです。上述のとおり、全世界の年平均成長率の予想は29.3%であり、これと比較すれば、日本が10%で推移する仮定は控えめな予測といえます。よって、毎年10%以上増加し、実際には7.62兆円以上になる可能性は十分あります。少なくとも、2030年時点で7.62兆円のポテンシャルが見込めるということです。
また、これは中国と米国の消費者向け市場規模予測の合算値です。全世界の消費者向けとなれば、さらに予測値は大きくなります。